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ベトナム旅行 フエ(Hue)観光

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ベトナム中部の世界遺産の町フエ(Hue)に来ている。今日も暖かく半袖でちょうどいいぐらいの気候。町なかをふらふら歩いているといくつも仏教寺院に出くわす。いずれも漢字表記だらけで中国の影響の強さを感じる。ベトナム語と中国語にも類似点が多いようで、たとえば「黄龍」は中国語ではファンロンと発音され、ベトナム語ではHoang Luと表記される。中国語の読みがそのままベトナムに持ち込まれたものが多いのかもしれない。ベトナムの通貨単位ドンも「銅」に由来しているらしい。

途中、踏切を渡る。列車が近付くと女性の係員が手動で遮断機を開閉する。

町を歩いていると、昼間から(平日でも)何の仕事をしているのかわからない、特に何をしているでもない暇そうな男性を多く見かける。これはこの国に限ったことではなくアジア全般で見られるが、この人たちは日々の糧をどうやって得ているのだろうかといつも不思議に思う。日本では「雇われる」という働き方が一般的で、大半の人はどこかに雇われて給料の形で収入を得ているだろう。しかし、こういった国ではどこかの企業などに雇用されて給料をもらう働き方をしているほうが少数派なのではないだろうか。1人1人がいわば自営業、個人事業主のようなもので、稼ぎは自分のアイデアと行動力で何とかしなければならない。

なおも歩いていると、すれ違うバイクのほとんどがこちらに笑顔で声をかけてくる。

世界遺産にも登録されているというフエ王宮(Hoang Thanh Hue)に行ってみる。南門から入ってみる。入場料150000ドン(約750円)。アシアナ航空がこの王宮のスポンサーであるようで、やはり韓国人観光客が多い。ここに限らず、韓国とベトナムとの結びつきを示すものはあちこちで目にする。一方で「この道路は日本の援助で作られたんだ」というようなことを地元の人から言われることも多い。

王宮前に国旗台があり巨大なベトナム国旗が風にはためいている。

王宮について紹介するビデオが流されている。「王」の字は天・自然・人の3つを横棒で表し、縦棒がその3つを繋いでいるという意味があるのだそうだ。これらを繋ぐ役割は王にしか出来ず、それ故に王は唯一無二の、取り替えがきかない存在だったのだという。古来の礼拝の方法はチベットと同様にひざまづいて額を地面につける。

王宮内をめぐっていると中国とカンボジアの様式をかけあわせたような建築が多いように感じられる。行き交う女性の顔も少しずつフィリピンなどの南方系の要素が入ってきている。

王宮の敷地は非常に広大で、多くの建物や石門が迷路のように配置されている。

それにしてもこれだけの建物がベトナム戦争の戦火をよく耐え抜いたものだと思わざるを得ない。

王宮近くにはベトナム戦争時に使用されていた戦車や戦闘機などが展示されている。今のベトナムを見ているだけでは想像できないが、半世紀前には国中が戦火に包まれていたわけで、当時を知る人もまだまだ多いはずだ。

Le Ba Dang Art Museumという川沿いの美術館へ足を運ぶ。Le Ba Dangというベトナム人画家の作品のみを展示している。入場料20000ドン(約100円)。Spacesというテーマでの展示で、「文明の進歩により人間の意識は大地を越えて宇宙(Cosmos)にまで広がった。これらの作品の中で人類と宇宙はひとつになる」というコンセプトらしい。王宮で見た「王」の字を思い出す。やはりここでもベトナム戦争を題材にしたものが目立ち、それらの作品は一様に暗い色調に支配されている。これはベトナム美術のひとつの特徴だろう。他には仏の顔を思わせる連作があり、こちらは一転して淡い色づかい。背景に緑や茶色などの自然を思わせる濃い色が用いられることが多いのもこの国ならではと感じられた。貼り絵の連作があり、「我々は少数民族のエキゾチックさを喜ぶばかりで、真に伝統文化を守ろうとしているか」とのメッセージが書かれていた。自分のような観光客にとっても耳が痛い言葉だ。ベトナム建国の父ホー・チ・ミンを題材にした作品も多かった。

ここベトナムは中国圏と言ってよく、中国同様旧正月を祝う風習がある。今年は1月28日が旧正月での元日にあたるらしく、明日から新年(テトと呼ぶ)の行事が本格化するらしい。バイクの後部座席で両手いっぱいに買い物袋を持って走る人が多く、新年の準備をしているのかもしれない。町角で花を売っているところも多く、大勢の人が足を止めているのも新年向けなのだろう。方々の寺も同様に新年の準備に追われている。

夕食50000ドン(約250円)、ベトナム風豚どんとでも言えばいいか。なぜか食い足りない気がして、追加でBanh Khoaiを注文。衣の中にもやし、卵、えびが入っている。やはり多すぎた。

店内には親戚一同と思われる10人程度の客。正月を前に久々に全員が揃ったというところだろう、若い男性ひとりだけは所在なさげに座っている。明らかに話が合わないようで退屈そう。これは世界中で見られる同じ光景だろう。みんな飲み干した空き缶をテーブルの下にポンポン放り投げる。

宿への帰り道、通りがかった家の中を覗くとテレビでキャプテン翼を見ている。アジアのどの国に行っても日本アニメの浸透ぶりには感心する。

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