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インド悠久の旅 アウランガバード(Aurangabad)からエローラ(Ellora)へ

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インドはマハーラーシュトラ(Maharashtra)州のアウランガバード(Aurangabad)に滞在中で、今日はインドでも有数の有名観光地エローラ(Ellora)の石窟寺院へ向かう。ここは仏教・ヒンズー教・ジャイナ教の3つの異なる宗教が混在する場所で、この辺も宗教的に寛容なインドを象徴するようだ。

バス停へ向かって歩いていると地元の人たちで行列が出来ている店があったのでそこで朝食をとる。1皿15ルピー(約26円)で、美味かったので2皿お代わりする。親父さんが調理中のところを後ろから撮影していると、顔が映るように前からも撮れとのお達し。

 

 

エローラまではアウランガバードのバスターミナルからローカルバス33ルピー(約56円)で1時間ほど。上等なツーリストバス(往復で200ルピー)もあるのだが、戻ってくる時間をあらかじめ決められるのが嫌でローカルバスを選ぶ。宿では500ルピー(約850円)でエローラ一帯を廻るチャーター車でのツアー(石窟寺院以外の見所も廻るらしい)を勧められたが、自分のペースで見たいと断った。ローカルバスには自分のほかにはインド人客しか乗っていないが、そのうちの何人かはエローラで降りたので彼らも観光客らしい。

入場料500ルピー(約850円)で、どうやらインド人観光客も同じ値段らしい。彼らにとってはものすごい出費だろう、入り口にあるState Bank of IndiaのATMで慌てて金を下ろしている人がいた。火曜が定休日らしい。ガイドブックを買わないかと声をかけられ、言い値は150ルピーだったがちょっと交渉したら30ルピーで買えた。

石窟には番号が割り振られている。おそらく古い順に番号がつけられており、仏教寺院・ヒンズー教寺院・ジャイナ教寺院の順のようである。

15番:それほど精緻な彫刻と言うわけでもないのだが、それでもこれをすべて岩をくりぬいて彫ったことを考えると凄いと思わされる。

11番:巨大な岩をくりぬいてほとんど3階建てマンションのようにしてしまっている。ひとつの岩から削り出しているということは耐震性や強度という点では最高なのかもしれない。

10番:入り口の彫刻が美しい。これだけのものをよく(おそらく)石ノミのようなものだけで作りあげたものだ。

内部はしま模様に削られた天井と中央に安置された仏像が何とも幻想的。間違いなくここエローラで一番感動した光景がこれだった。

5番:7世紀に造られたという巨大なホール

2番:内部の女神像が印象的

自然に囲まれておりサルなどの野生動物がそこら中をうろうろしている。ハンピ(Hampi)で見たのと同じ、黒い顔に白い毛のサルだ。

16番:他の窟とは桁違いに規模が大きい。100年ひたすら手彫りをしたとしても完成できるのだろうかと思わされるぐらいのスケールだ。巨大な岩塊を最大で数十mも彫り抜いている。

この寺院の象徴と言える塔がそびえ立つ。

中央にはクメール風の祠(ほこら)のようなものがずらっと並び、すべてが土台をゾウに支えられている。敷地内には大きなゾウの彫像もあり、ゾウがいかに重要な動物であったかが伺える。

柱が林立する廊下は中国:敦煌の莫高窟を少し思い出させる。

例によって彫刻も凝りに凝っている。

17番以降はヒンズー寺院なのだが、27番まで来たところで工事中なのか通行止めとなる。確かにそれまでの仏教寺院とは趣きが異なるというか、ひとつひとつの像にもっと躍動感や官能性が加わったように感じられる。ひたすら瞑想的に思えた仏教寺院と見比べて、宗教そのものの傾向がそれぞれに反映されているようで興味深い。仏教がより観念的、内面的であるのに対して、ヒンズー教がより人間に密着した、ある意味では世俗的とも言える宗教であるのは確かだろう。

敷地から一般道に出てバス通りを通って29番:巨大な立像と整然とした宮殿のような造りが印象的。ここへ向かって道路を歩いているとすれ違った2人の白人男性に「ここは素晴らしいぞ。今はお前以外誰もいない。Good luck」と言われる。

30~34番:ここはジャイナ教寺院。かなり歩かないとたどり着かない。アンコール遺跡のクメール様式のようなものを想像していたが、それに日本の縄文の文様を思わせるようなデザインも加わった感じである。立像も独特のスタイルで、全く飾りっ気がない。四角い門がいくつも連なり、中心部に立像というのがこの寺院の様式のようである。

ジャイナ教というのは名前を聞いたことがあるぐらいで具体的には何も知らなかったが、虫も殺してはいけないような厳格な宗教らしい。ジャイナ教の5大原則というのが記されており、「非暴力(non violence)」「盗みをはたらかない(non stealing)」「真実のみ口にする(truth)」「性的に純潔であること(chastity)」「財産を持たない(limit on posession)」とあった。

アウランガバードへの帰りのバスはなぜか行きより安い20ルピー(約35円)。石窟寺院の入り口で待っているとそれほど待たずに来たバスに乗り込む。20分に1本ぐらいのペースで運行しているようである。バスで隣り合わせた香港から来たという男性と話す。お互いに見覚えがあった。ハンピ(Hampi)で彼を見かけていたのだが、旅行者らしいもののあまりにぼろぼろの服を着ていたので素性がわからずこの時はちょっと警戒して話しかけなかったのだ。聞いてみるとビジャプール(Bijapur)、ハッサン(Hassan)とこれまでの訪問地が自分と重なっている。彼は旅に出ないと腐ってしまうそうで、1年前に2年間の旅を終えたばかりだがまた長旅に出ているのだという。全世界の全ての国を廻るつもりだそうで、今回もインドの後はパキスタン、東欧へ渡り、ヨーロッパは全制覇するつもりらしい。そんな彼も長旅ではモチベーションの維持が大変だそうで、実際に長旅を始めた身になってみると彼の言うことには非常にうなずけるものがあった。時間が無くて終盤のジャイナ教寺院を見れなかったので写真を送ってくれと言われる。

アウランガバードに戻り、昨日マラリア予防薬処方の件で受診した開業医を再訪する。診療費300ルピー(約510円。昨日は支払っていない)。同じく医師であるご主人も出てきて色々話をしてくれる。処方箋を書いてもらい、自分が希望するメフロキンが薬局にあればそれを処方、なければ別の治療薬を処方するとのこと。この処方箋があれば世界中どこへ行ってもメフロキンを処方してもらえると言っていたが本当かどうかはわからない。血圧を測られると100-70という数値が出て、そんなはずがないと言われるが、いつも通りの数値だと説明し納得してもらう。インド人の食生活を見ていると彼らは平均的に血圧は高めだと思われ、なおさら自分の血圧が異常値に思われたのだろう。医院の男性スタッフが何か問題があったらすぐに電話してこいと連絡先を教えてくれる。

薬局に行くとメフロキンをどこかから取り寄せてくれるそうで、結局20時半まで待って8錠400ルピー弱(約650円)で購入できた。遅くなったのでもう1箇所行くはずだった眼科へは行けずじまい。歩いて宿へ戻る途中、宿の主人のバイクとばったり会い、乗せて行ってもらう。途中、主人の買い物で何箇所かの店に立ち寄り、日本人だとわかるとどこでも質問攻め、握手攻めに遭った。北インドに入っても引き続き親日的なムードで受け入れてもらえることが多くありがたい。

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今回の旅は、日本を代表するアウトドアブランド: (株)モンベル様にご支援いただいています

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