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インド悠久の旅 ソマナタプラ(Somanathapura)観光

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今日はマイソール(Mysore)の町から30kmほど離れたソマナタプラ(Somanathapura)まで日帰り観光に出かける。小さな村だがChennakesava Templeという素晴らしい彫刻を施された寺院があるらしい。バンノール(Bannur)という町を経由してバスで向かう。

マイソールのバスターミナル内の食堂でエッグビリヤニ(インド版炊き込みご飯)80ルピー(約140円)。値段の割りにもうひとつという感じ。

9番プラットフォームから出発しバンノールまで1時間弱で到着。ここでバスを乗り換えてソマナタプラまで向かうはずなのだが、バスターミナルなどではなく交差点の真ん中というやけに中途半端なところで降ろされる。辺りの人に聞いてみてもソマナタプラまではトゥクトゥクで行くしかないと言う。通りかかったバスの運転手に聞いてみるとちょうどこのバスがソマナタプラ行きということで飛び乗る。料金20ルピー(約35円)。

典型的なローカルバスにひとり外国人が乗っているのは地元の人から見ても妙に感じられるらしく、みんなそれとなくこちらをジロジロ眺めている。負けじとこちらも乗客を観察する。ウーティのニードルロックで一緒になった日本人男性が、この辺りの女性は一様に表情が硬いように思うと言っていたが、こうしてしげしげと見てみると子供はそうでもないものの大人の女性は確かにそうかもしれないと思う。男女を厳しく分ける教育や慣習というものが影響しているのかもしれない。そういえばマイソールのChamundi Hillの頂上、下界から隔てられたような場所に女子校があったのだが、女子校をこれだけ離れた場所にあえて造ったというのも男女を厳しく分けなければいけないという社会ルールのせいなのかと勘ぐりたくなる。

バンノールからソマナタプラまでは10kmも離れておらずほどなく到着。想像以上に小さな村でバスを降りてすぐChennakesava Templeの入り口にたどり着く。入場料200ルピー(約350円)。インドではかなりの高額だが、数年前にインド政府の号令で国内全ての観光名所の入場料を2倍に値上げしたらしい。

それほど広くない四角い空間を柱がぐるっと取り囲んでいる。

寺院のメインとなる建物は彫刻で埋め尽くされている。怪談耳なし芳一で身体中を魔よけの呪文で埋め尽くした姿を連想してしまった。

カンボジア:アンコール遺跡のバンテアイスレイに匹敵するような彫刻の精緻さと執拗さだ。こちらの方がゾウや神像などテーマが具体的。塔も土台を★をもっと細かくした形を基調にして反復し、フラクタルのような構造を作り上げている。仏塔の土台に仏塔の屋根のデザインと同じモチーフを用いて、その下に神像、さらに下にゾウ、馬、兵士が配置され上部を支えるような造りになっている。

この寺院にも無数の神像が彫り込まれている。地域や宗教が大きく異なっても畏れ崇める対象としての像が似通った姿になるというのも面白い。結局どこにいても人間は根底ではみな同じなのだとひとり納得する。

本堂の天井にはバナナの花が模られている。4層の柱が18本立ち並ぶこの本堂を管理する女性が、ここは(神々の)Dancing Hallだなどと話してくれる。やけに親切だと思ったら案の定お茶代をくれと言うので10ルピー進呈。

この寺院の建立が13世紀頃とのことでバンテアイスレイの方が数百年古いことになる。この期間をかけてカンボジアからインドへの文化的伝播があったのだろうか。その間に紋様が抽象から具象へ変化したのかもしれないなどと好き勝手に想像する。

実に見事な遺跡なのだが世界遺産には指定されていないという。世界遺産であるか否かにあまり重きを置く方ではないが、これだけのものが世に評価されていないらしいのは残念ではある。

例によって石の床が日光で熱くなっていて裸足ではとても歩けたものではない。日陰と敷物の上ばかりを選んで歩く。日なたでは爪先立ちで走るように移動する。インド人観光客は素足でも全く平気な顔だ。彼らは熱いカレーも手づかみで食べるし、彼らの熱への耐性は大したものだ。

インド人観光客に話しかけられる。ここと同じレベルの彫刻でもっと大規模な寺院がハッサン(Hassan)という町の近く、ハレビドゥ(Halebidu)とベルール(Belur)という所にあるそうだ。ビシュヌ(Vishnu)、クリシュナ(Krishna)、ジャナルタカ(Janartaka)の3神を祀る有名な寺院とのこと。これは良い情報を教わった。マイソールから比較的近いことがわかり、次の目的地はここに決定。いつも地元の人たちの情報に助けられている。

ソマナタプラの村を少し歩いてみる。色とりどりの平屋が並ぶ、可愛らしい良い村だ。遠くからでも子供の声が賑やかで小学校でもあるのかと思ったが、実際に来てみると単に子供たちが猛烈に元気いっぱいなだけだった。どうも中国人が来たと思われているらしい。

村を離れて少し歩くと打ち捨てられたような、 朽ち果てた遺跡を見つける。3つの塔が立ち並び、周囲にはわらぶき屋根の家が一軒と墓が1基あるのみ。この遺跡はバンチェリンガという名だと村人に教えてもらう。

バンノールへ戻るバスをどこで待つのか、いつ来るのか、何もわからないので辺りにいる人に聞いてみる。20分おきにバスが来るそうで、ここで待つんだと言われた場所でバスを待っていると、やってきたのは大きめのトゥクトゥクで既に地元客を満載している。助手席とレバーの間に無理やり座る。バンノールの交差点まで10ルピー(約17円)。交差点から数百mのところに バンノールバスターミナルがあるということで、歩いて向かう。道中に宿が1,2軒。行き交う人はみな親しみやすく、すれ違うバイクが「どこから来た」「中国人か」とさかんに声をかけてくる。

帰りのバスは立錐の余地もない超満員。座るどころか立っているのもひと苦労な状態で1時間ほどかけてマイソールへ帰着。バスターミナル近くのアンナプルナレストランでミールス(南インド定番のいわば「定食」)90ルピー(約150円)。味・量ともに満足し久々に腹いっぱいだ。

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