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インド悠久の旅 ウーティ(Ooty)観光 ニードルロック(Needle Rock)

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3月15日(水)

しばらく滞在したケララ州ヴァーカラ(Varkala)を離れ、再びタミルナドゥ州に戻ることになる。次の目的地は南インドを代表する高原避暑地ウーティ(Ooty)だ。久々にこの猛暑から逃げ出せると思うとほっとする。

ヴァーカラ駅から11:45発のKelara Super Express 150ルピー(約260円)でまずエルナクラム(Ernakulam)へ向かう。列車の中でチキンビリヤニ103ルピー(約180円)を買い昼食。

エルナクラムへ向かう理由は壊れたパソコン修理のためで、製造元ASUSのサービスセンターがエルナクラムにある。駅に着いてから雨の中はるばるサービスセンターまで行ったが、ハードディスクが外部からのアクセス不能の状態になっているため修理できないと言われてしまう。データ救出も専門業者でないとできないとのことで無駄足だった。

ここまででかなり時間を食ってしまい、今日はここで泊まることにする。本日の宿:Hotel Royal Enclave、1泊500ルピー(約850円)。ここエルナクラムは観光客が来るようなところではないため、当然ながら宿探しは相当難航した。外国人不可と言って断られることが多かった。

町に出て屋台で夕食。夜になっても気温・湿度とも一向に下がらずかなり暑い。

3月16日(木)

エルナクラムからまずコインバトワール(Coimbatore)まで9:10発の列車90ルピー(約150円)で向かう。コインバトワールは規模の大きな地方都市といった感じ。人も車もひしめいているが、建物はどれも老朽化が目立つ。

ウーティ行きのバスは駅近くのバスターミナルではなくニューバススタンドから出発との事だが、そこへ行くバスがどれなのか人に聞いてもわからない。結局11番バスでニューバススタンド近くまで行き、そこから歩いてようやく到着。

ウーティ行きバス53ルピー(約90円)は山道をどんどん登っていく。道の険しさから相当な山奥なのだと理解できた。到着の頃には日もすっかり落ち、標高2200mはかなり寒い。地元の人も冬の格好でニット帽をかぶっている人が多い。ニット帽をかぶるインド人を初めて見た。

本日の宿:DNS Tourist Home、1泊600ルピー(約1020円)。WiFiの調子が悪く、ポケットWiFiを無料で貸し出してくれる。

宿近くの売店でSIMカードにチャージ。4GBで267ルピー(約455円)のプランを勧められ了承。前回と今回で利用できるプランが変わっているようだ。

このあたりはムスリムが多いようでハラル(イスラム法に沿った処理を行った食材)食堂が目立つ。その中のひとつの店で夕食。

ここウーティはどういうわけかチョコレートの名産地だそうで、辺りの商店ではキロ当たり500~700ルピー(約850~1200円)で売られている。少量のチョコなどそもそも売っていないようで、みなごっそりと袋で買っている。

3月17日(金)

ウーティからバスで1時間ほどのニードルロック(Needle Rock Viewpoint)へ出かけようと思ったが、宿の主人を含め地元の人も誰も知らないという。バス運転手ならさすがに知っているだろうとの見込みでとりあえずバスターミナルへ。

まずローカルバススタンドまで散歩がてら歩いて行く。ウーティのカラフルな町並みが見える。

そこからローカルバスに乗って、鉄道駅最寄りのメインバスステーションまで行く。ここでニードルロック行きのバスを探すが、どの運転手も知らないという。ようやくひとりの車掌が目的のバスを教えてくれて事なきを得るがこんなに地元の人が知らない観光地というものがあるだろうか。

ここからニードルロックまで30ルピー(約50円)のバスに乗る。90度以上曲がる急カーブが連続する猛烈な山道だが、それでも所々に集落がありここに暮らす人たちがいる。時々茶屋も見かける。こちらのバスも対向車も結構なスピードで急カーブを走ってくるので、お互いを避けるのが毎回冷や冷やする。1時間ほどで車掌がニードルロックに着いたと教えてくれるが、降りた乗客は自分だけ。標高1450mでウーティからは700m以上も山を下ってきたことになる。

小さな受付小屋(入場料5ルピー)があるだけで言われなければここに観光スポットがあるとは思わないだろう。ニードルロックの方に進んでいくと先客のインド人青年3人が何だこの外国人はというような顔でこちらを見ている。よく見るとそこここに点々とインド人観光客がおり、なぜドライバーたちはここを知らないと言ったのか不思議である。

眼前の緑の海の中にも点々と集落が見える。乗ってきたバスの終着点であるGuadalurと思われる大きな集落も見える。インドのこんな山奥と言っていい場所にも、観光とは無縁の人々の日々の営みがあることを改めて知らされる。こんな辺鄙なところにも人の暮らしがあるということを確認する作業がなぜか好きだ。

ここは山の上のいわば崖の突端に当たる場所で、視界の先は見渡す限り緑が広がる。Needle Rockと言うからには何か針のような岩があると思ったのだが、それらしいものは見当たらない。

昨夜は相当に冷え込んだが日中は25度前後まで気温が上がる予報だ。既に半袖で十分な暑さになっている。ウーティが標高2200mなので単純計算すると平地では今日の気温は38度ということになる。4,5月はインドの酷暑期にあたり、それを避けるために東南アジアの予定を繰り上げて早めにインドに来たのだが、時既に遅しの感がある。

広島出身の日本人男性と一緒になり、以降一緒に行動することに。スリランカ以降日本人と会うことが格段に増えた。週明けからバンガロール(Bangalore)で2ヶ月間英語留学の予定との事で、その前にインドを旅しているのだそう。フィリピンでも英語留学経験があるそうで、将来的にはフィリピンなどから老人介護の人材を日本へ派遣するビジネスを始めたいと考えているそう。

彼はドローンを持参しており、この日も風が強い中飛ばしてみるとのこと。別の寺院でドローンを飛ばした際は始末書を書かされたそうだ。確かに、神聖な寺院を上から見下ろすとは何事か、と言われかねない。

展望台から見える岩場に行けるのではないかと2人で話し、行ける所まで行ってみようという事になる。当然ながら道らしい道は無く文字通り岩をよじ登ることになったが、行けないと思っていたところにたどり着けた事で二人とも満足であった。まるで子供と変わらない。

帰りのバスがオンボロで坂を登るのに四苦八苦で2時間もかかってしまう。ウーティに着いてから近くの食堂で夕食にビリヤニ(南インド版炊き込みご飯)を食べる。

宿まで2,3kmの道のりなので歩いて帰ることにする。途中、ヒンズーのお祭りなのか楽隊が激しく演奏しているところに出くわす。

 

インド音楽というとシタールなどをすぐに連想してしまっていたのだが、地方を巡っているとそれ以外の伝統的な土着の音楽が今も息づいていることを思い知らされ、自分がいかに偏った、一面的な先入観でこの国を見ていたかを痛感する。今回の旅が自分の持つ先入観をひとつまたひとつと剥がしていく作業のように感じられる。己のすべての先入観を排した後には果たして何が残っているだろうか。

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今回の旅は、日本を代表するアウトドアブランド: (株)モンベル様にご支援いただいています

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