中国西域への旅 新疆ウイグル自治区 カシュガル滞在2日目
中国:新疆ウイグル自治区の古都カシュガルで2日目の朝。中国の旅はそれ以外の国を旅する場合と決定的に異なる点がある。日本を始め他の国では当たり前に利用している多くのWEBサービスがここ中国では検閲により利用できない。すべてのGoogleサービス(GmailやGoogleマップを含む)、ほとんどすべてのSNS(Facebook、Twitterを含む)、クラウドサービス(DropBox、EverNoteなど)に接続できないことがいかに不便なことか。そこで抜け道として必要になってくるのがVPNという仮想プライベートネットワークの利用である。中国国内ではなく日本などのサーバーを経由して接続することで検閲を回避しようというのだ。
事前に用意していたのは2つ。ひとつが筑波大学が無償で提供してくれているVPN Gateというサービス。これは純然たる学術実験でもあり新たな通信の可能性を探るというものであるらしい。中国に入国する前に登録は済ませておいた(中国入国してからでは利用登録できないらしい)。もうひとつが有料のセカイVPNというサービス。最初の2か月間が無料ということでこちらも念のため申し込んでおいた。海外からの観光客も同じことを考えており、同宿となったフランス人Clementに勧められたDotVPNというFireFox専用のVPNサービスも導入してみた。
結果的にはどれももうひとつというのが利用してみての率直な結論だ。筑波大学のVPN Gateは利用できるサーバーに無事接続できるまでに、何度も色々な国のサーバーでトライする必要があり、接続が確立するまでに下手すると30分以上かかってしまう。また、頻繁に接続が切れるのも難点だ。セカイVPNもほとんど接続失敗ばかりでまともに利用できない。ヘルプデスクへ問い合わせた結果、セカイブラウザという専用ブラウザでの利用を勧められ、こちらは何とか利用できるものの当然ながらネットサーフィンに利用が限定されクラウドサービスの利用は出来ない。DotVPNは全く利用ができなかった。
当面はセカイVPNをメインに、補完的にVPN Gateを利用するしかなさそうだが、本当に不自由な国だと実感する。地元中国の旅行者も、VPNを駆使して外の情報に接する者、おとなしく国内向けのサービスのみで我慢する者の2通りがあるようである。
昼近くになって昨日と同様国際バス乗り場へタシュクルガン行きのチケット購入にClementとともに向かう。16時にならないとチケットは売らないと窓口で言われるも、何だかんだと粘った結果売ってもらえることになる。65元(約1000円)で11時半(ウイグル時刻)発。色々面倒が多いのが中国だとは覚悟していたが、それも交渉次第で融通が利くものでもあるらしい。
今日やるべき仕事はもう終わりである。遅めの昼食をとる。回鍋肉16元(約240円)
結局今日は特にこれといったイベントのない1日で、食事ぐらいしか写真を載せるものがない。長期の旅となると、旅自体が日常になるので今後このような何もない1日というものも重要になってくるのだろう。つくづくこれまでの旅では時間に追われてスケジュールをつめこんでいたなと思わされる。これは自由を選んだ者の特権と言えるだろう。
明日は中国とパキスタンおよびタジキスタンとの国境にある町:タシュクルガンへ向かう。
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