You are here:  / 2016_中国 / 世界一周 / 中国西域への旅 新疆ウイグル自治区 カシュガル観光

中国西域への旅 新疆ウイグル自治区 カシュガル観光

Pocket

中国西部の新疆ウイグル自治区:カシュガルで初めて朝を迎える。昨夜遅くにキルギス:ビシュケクからのフライトで到着した。地図上で見るとほぼまっすぐ南下しているだけで、緯度は変わらないのに時間はこちらの方が2時間も進んでいる。中国は全土が北京時刻を採用しているのだが、4000㎞以上離れたここカシュガルでも同じ時刻を使うというのは無理がある。9時に周囲の物音で目を覚ましたが、外の明るさはまだ7時前といったところか。昨日までのキルギスと比べ明らかに暖かい。周囲を見るとみなタブレットなどを持参しており、着ている服も中央アジア諸国と比べ明らかに上質だ。こんなところでも中国に来たことを実感する。

朝食がてら初日の宿喀什老城青年旅舎(Kashgar Old Town Youth Hostel)の周囲をうろついてみる。ここは古城(オールドタウン)と呼ばれる古い街だ。手近な食堂に入り、肉抓飯18元(約270円)が記念すべきウイグル最初の食事となった。出されるジャスミンティーが美味い。

町を歩いてみると、歩道でもお構いなしにバイクが突っ走るので注意しなければならない。すべて電動バイクのようで非常に静かだ。これは大気汚染への中国なりの対策だろう。15歳以下と思われる子供も平気でバイクを乗り回す。全員ヘルメットなどかぶらない。

ここはエイティガール寺院と呼ばれるカシュガルを代表する寺院だそうだ。なぜと言うこともないが中に入る気がせず前を素通り。

これまでのイスラム諸国同様、そこここに独特のイスラム帽にあごひげを伸ばした男たちを見かける。ビシュケクの宿ビシュケクゲストハウス(Bishkek Guest House)の主人の「イスラムへの信仰、忠誠を示すためにあごひげを伸ばす」という言葉を思い出す。それにしてもこの話をしてくれた時の彼の目つきは、うかつに冗談など言えないような、この上ない真剣なものだった。彼曰く「ウズベキスタン人は信仰に真剣味がなく、ムスリムの風上にも置けない」のだそうだ。

中国にしばらく滞在するので何とかSIMカードを入手したいと町中にたくさんある店舗に足を運んでみたが、こちらが外国人と聞いてことごとく門前払いされた。中国人(および中国に在留許可を得て住む外国人も?)が持っているプラスチック製の身分証明IDカードがないと売ることはできないとどこも取り付く島もない。この問題はこの後もずっと尾を引くことになる。

カシュガル滞在のあと、パキスタンおよびタジキスタンとの国境に近い町:タシュクルガンへ行く予定にしており、向かう手段を探さなければならない。バスで行けるという情報は得ているのだが、以前使用されていたバスターミナルではなく新しい国際バスターミナルから出発となるらしい。行き方がわからずやむなくタクシー30元(約450円)で向かう。出発してすぐ別の女性が乗ってくる。ドライバー氏いわく明日のチケットは明日買えばいいんだとのことだったが、この女性(少し英語が話せる)は念のため今日買っておきたいという自分の意見に賛成だと言う。バスターミナルへ向かう途中の路上で公安によるパスポートチェックがあり、地元の人はIDカードを自動改札機にタッチして通過する。全員いったん車を降りて、チェックが無事済んだら再び車に乗り込む。

バスターミナルに着き早速チケット売り場に向かったところ明日のバスチケットは売り切れで、明後日の分は明日でないと販売しないと言う。全く無駄骨だが仕方ない。帰りは20番の路線バスで戻ることにする。こちらは1元で、タクシー代が馬鹿らしくなる。5元札しかないと言うとそれなら料金はいらないと言われる。車内には多くの若者が乗っているが、老人が乗ってくると我れ先に席を譲っている。

案の定バスを乗り過ごし、スラムのような住宅街(の残骸とでも言うべきか)近くで下車する。後日聞いたところによるとここは再開発に伴い取り壊しが進められており、この住宅群が最後の一角だそうだ。おそらく1年後にはここは全く別の姿に変わっているだろう。住民たちの同意があってのことなのか、強制的なものなのか等々は部外者にはわからない。

ここから宿へ戻る途中の食堂で夕食。時計は18時半なのだが、実際の体感時刻は16時半というところ。漢字だから何とかなるだろうと思っていたメニューが全く何ともならない。字面から具体的な料理の内容がイメージできず、隣の客が食べていたものが美味そうだったので同じものを頼む。具材は肉を挟んだ厚揚げのようなもの、細麺、チンゲン菜、ゴマ、キクラゲといったところ。

老城にある茶屋(有名な店だそう)の2階バルコニー席でウイグル音楽をバックに踊っている男女がいる。若い女性はもしかしてここの店員だろうか、初老の男性も巧みに踊っている(ようにこちらには見える)。みんなわいわい言いながら眺めている。これもウズベキスタンで聞いた音楽同様に男女の掛け合いをテーマにしているように見える。女性の細やかな手の動きを見るとアジアの踊りだなと実感する。

宿に戻る。8人ドミトリーの部屋で2段ベッドの上の段なのだが、下のベッドにフランス人男性が新たに入ってきた。クレメントと言い、母国を出発後シベリア鉄道でモンゴルを経てここまで来たという。彼も長期旅行者で、帰国の瞬間まで一切空路を使わないという条件を自分に課している。どちらを向いても中国語ばかりの環境(当たり前だが)で久々に話せる相手が見つかったこともあって、お互いの旅についてなどずいぶん長い間話をした。まわりの中国人からは「英語ばかりじゃなくて少しは中国語も話せよ」というような揶揄が飛んできた(ように感じた)りもしたが、何しろ中国語は2人とも全く話せないので何とも致し方ない。

夜も更けてくると、宿泊客はみな宿の中庭に出てきて酒や果物、つまみなどを片手にわいわい盛り上がっている。ここはイスラム圏、酒はご法度のはずだがと思いつつ、誘われるままについつい飲んでしまう。他の中国人観光客で英語が話せる人たちも加わってきて夜遅くまで話し込む。偶然にも全員タシュクルガン行きを計画しているそうで外国人が訪れる場合の条件などについても聞いてみた(国境近くのエリアだが特別な許可証などは必要ないと判明)。宿のスタッフのもう就寝時刻だとの声を聞いてもみななかなか寝室に戻ろうとせず、しまいには温厚そうだった宿の女の子が本気で怒りだした。昼間はあんなににこやかだったのに、翌日になっても口もきいてくれないぐらいにご立腹であった。中国の女性を決して怒らせてはいけない。

Pocket

LEAVE A REPLY

Your email address will not be published. Required fields are marked ( required )

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

2024年12月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

スポンサー

今回の旅は、日本を代表するアウトドアブランド: (株)モンベル様にご支援いただいています

Language