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中央アジア:キルギス観光 ジェティオグス(ジェテイオグズ)からボコンバエワへ

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中央アジア:キルギスの観光地:ジェティオグス(ジェテイオグズ)で思わぬ形でホームステイをして翌朝を迎える。意外に夜が寒かった。次の目的地はボコンバエワというイシククル湖南岸の町。クマールさんのお宅で一晩お世話になっただけでなく、車で送ってやると言ってくれる。どこまで送ってくれるつもりなのかよくわからないのだが、ここからボコンバエワまでは200㎞以上の距離がある。

こちらがクマールさんの自宅。ロシア製の年季の入った車が彼の愛車だ。愛猫にもしっかりごあいさつする。

朝食もしっかりいただく。当初300ソムで一泊のはずだったが何だかんだとクマールさんに小遣いをせがまれ倍額になってしまったのは良しとしよう。

こちらがおせわになったご夫婦。旦那さんが直情的で奥さんが常に冷静、いいコンビだ。

あいにくの雨模様のなか出発。すぐに近所の知り合いも乗り込んでくる。乗ってすぐクマールさんの運転は荒いなと感じていた。道路が滑りやすいにもかかわらず急ハンドル、猛スピードでがんがん先行車を追い越していく。嫌な予感がする。

やがて雨にみぞれが混じるようになってきた。道理で昨夜は寒かったわけだ。前を行く車を無理やり追い越そうとした次の瞬間、危惧していた通りのことが起きる。タイヤが大きく滑り、車体は180度回転して道路脇に突っ込んだ。車内で何かが飛んでいくのがわかる。一瞬の出来事だったが、頭の中は意外に冷静で、事の成り行きによってどういう対処をしようかと考える余裕があった。

すぐに車から外に飛び出した。運転席のドアはゆがんでしまって開けることができなくなった。クマールさんはスリップ事故はこれで3回目だと言って笑っている。周囲の人が集まってきて、心得のある人が車体のチェックを始める。タイヤの金属部品が完全に折れ曲がり使い物にならなくなるが、代わりの部品をどこかから調達してきてその場で修理をし始めた。

雪がいよいよ本格的になり、この調子だとかなり積もりそうだ。

1時間もかからず修理が一応完了するが、素人修理でありタイヤがいつ外れるかもわからない。この車には乗りたくない、専門のドライバーの車で行くと言うと、大通りまでこの車で行ってそこで別の車を拾おうと言われる。走り出すといつもの調子で彼はすぐにスピードを出そうとするので、大通りまでわずか5分ほどの距離だったがその間頼むからスピードを出さないでくれと言い続けた。

妻や子供、孫までいる60歳代にとにかく安全運転してくれと懇々と説いたが伝わったかどうか。キルギス人は元来騎馬民族なので、どうしても荒々しいというか特攻精神のようなものが前面に出てきてしまうのかもしれない。

大通りまで出てそこでマルシュルートカを拾おうとするも雪はいよいよ本格的になってきた。この時間、ボコンバエワ方面へ向かう車も少なくなかなか車が見つからない。あまりの寒さに耐えきれず近くの売店でホットコーヒーを2つ買ってくる。店番の少年が「その腕時計をくれ」と言う。

雪まみれになって行き交う車に片っ端から声をかけてくれるクマールさんに申し訳ないので、いったんカラコル方面へ戻ることにする。カラコルへ行く車ならいくらでも見つかるはずで、そのあとのことはカラコルで考えよう。ほどなくカラコルへ行くというご夫婦の車を拾うことができた。大雪の中、あわただしく車に乗り込み、「お前が帰る時には俺は泣いてしまうよ」と言っていたクマールさんも泣く暇がなかった。全身雪まみれになって見送ってくれたクマールさんの姿が忘れられない。連絡先は交換してあり、さかんに電話しろと言っていたのでどこかで連絡しなければと思う。

アクティレクバザールに着く。もうひとり同乗の若者がおり、彼が40ソムぐらい渡していたようだったので自分は60ソムをお渡しする。雪は本格的になりあっという間に数㎝は積もっている。昨日までの天気とはえらい違いだ。周りのいろんな人に聞きまくってようやくボコンバエワ行きマルシュルートカ乗り場を見つけることができた。

乗り場まで初老の2人の男性が案内してくれた。ちょっと親切すぎるなとは思っていたのだが、出発まですぐそばの小屋で飲もうと誘われる。こちらは昼食を兼ねて店に入り、2人はウォッカをあおる。予想どおり2人の支払いはこっち持ちだった。まあ少額だしバス乗り場へ案内してくれたのは確かなので気にしないが、カラコルに来てからよく目にする酔っ払い親父たちの片割れだった。

キルギスに来てから1週間ほどになるが、キルギス人の特徴(キルギス人に限ったことではないが)としてお互いに助け合うこと、他人が喜ぶと自分もうれしいというのはあるように思う。一方で、騎馬民族ならではの血の気の多さ、荒っぽさもあり、それは十二分に体感した。キルギスでは今でもタカやワシを使った猟、猟銃を使っての鹿やイノシシ猟、馬上での戦いなどがさかんなようで、狩猟民族としての血は今も脈々と受け継がれているようだ。

ボコンバエワまで120ソム(約180円)。外国人が珍しいようで、隣席の男性がさかんに話しかけてくる。後ろの席の青年が少しだけ英語ができるので所々通訳してもらうがそれでも意思疎通は難しい。車内を見ていると、夫婦で乗っている人が結構いる。キルギスの夫婦は仲が良く、旦那が妻の肩で眠る光景がここでも見られた。おまえもキルギス人の嫁を貰えとけしかけられる。それにしても専門職、プロの運転はやはり安心していられる。

牛や馬が道路をふさぎ渋滞となっている場面にしばしば出会い、その都度しばらく待つことになる。空が晴れ上がってきて初めて南岸からのイシククル湖がきれいに見える。湖面は深い青色だ。やがてトン郡に入ると先ほどまでの雪がうそのようで水たまりひとつない。湖面には虹が出ている。

出発から3時間ほども経っただろうか、ようやく目的地のボコンバエワに到着。ボコンバエワで降りたのは3人だけで、他の乗客皆が着いたことを教えてくれる。自分は明日スカスカという観光地に行こうと思っているのだが、そこを通過した時もここがスカスカだと教えられた。降車場そばの食堂でショルポ(肉の塊とじゃがいも丸々1個入ったスープ)とハンバーグエッグライスのようなものを注文する。

簡単に見つかるだろうと思っていた宿がなかなか見つからない。営業していないゲストハウスが多く、あたりにいる人に心当たりを聞きまくってようやくそれらしいところを見つける。入り口が分からずそばにいた女の子に教えてもらう。とにかく今日は1日中、人に教えてもらってばかりであった。ラハットホテル(700ソム)で「当館はゲストハウスではない、ホテルだ」と自分の同じ誕生日の主人が言う。場所をはっきり覚えていないがおそらくこのあたりだったと思う。地元ガイドもそんなホテルは聞いたことがないと言っていたが比較的歴史のある宿のようで、施設面では劣るもののツアー御用達の宿に比べれば安価だろう。

キルギスの旅も早や終盤に突入、限られた残り期間の中でどこまで行けるだろうか。

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