インド悠久の旅 ハッサン(Hassan)からバンガロール(Bengaluru)へ
3月23日(木)
ハッサン(Hassan)からバス191ルピー(約325円)でカルナタカ(Karnataka)州の州都バンガロール(Bengaluru)へ向かう。バンガロールは市圏の人口が1000万人超、インドのシリコンバレーとも言われる国内随一のIT都市である。
ここへ向かう理由は壊れてしまったノートパソコンの修理である。ハードディスクが壊れてしまっているのでその交換と、何よりもディスク内の写真や動画などのデータ救出が目的である。
ハッサンを出発し約4時間、そろそろ到着するかと思ったところで乗っていたバスがバイクと衝突事故を起こしてしまった。そのまま発車しようとするバス運転手に野次馬たちが激しく詰め寄ってくる。結局バスはこの場で立ち往生することになり、これ以降は乗客各自で何とかしてくれというインドらしい対応になる。たまたま目の前がSandal Soap Factoryという地下鉄駅だったので、これに乗って市内中心部を目指すことにする。路線図と地図を見てとりあえずMantri Square Sampige Roadという駅まで行ってみる。そこから先はバスに乗り換えできるという。
地下鉄はインドにしては乗客少なめ、冷房が効いた近代的な車両で、乗客は金に余裕がありそうな小ぎれいな身なりの人が多い。運賃17ルピー(約30円)とかなり安い。バンガロールまでの道は大半が有料高速道路であり、そのためか列車よりかなり速く到着できる。バスの料金の高さはそのせいかもしれない。車内からは大都会バンガロールが一望できる。見渡す限り建物がぎっしりと立ち並んでいる。
目的の駅まで着いたもののそこから先のバスへの乗り換えが誰に聞いてもわからない。ここから鉄道のバンガロール駅前のMajesticと呼ばれる場所まで1km強ということで歩いて向かうことにする。今回は珍しく予約サイトで宿を予約してあったのだが、その宿がMajesticのさらに先にあるとわかり、結局2km強ほど歩くことになった。とにかく道路の混雑、渋滞が尋常ではなく、道路が道路として全く機能していない。ここまで大都市を避けてきたのだが久々のクラクションの洗礼である。混沌と無秩序、非常にインドらしい光景と言えるかもしれない。
本日の宿:Hotel Shree Pawan Paradise、1泊600ルピー(約1020円)。大手予約サイトにも載っているような宿だが、結果的には大失敗。決して誰にもおすすめできない宿だった。ドアを開けたら上からゴキブリの大群が降ってくるような宿である。ホットシャワーも全く機能しない。今になって見てみると予約サイトの口コミも悪評の海であった。宿のスタッフは好感が持てる人だっただけに残念である。
※この記事を書いている時点では予約サイトでもこの宿の予約が出来なくなっている。よほど悪評・クレームが続いたのだろう。
近所の食堂で夕食にチキンビリヤニ(インド版炊き込みご飯)。110ルピー(約190円)と明らかに都市価格である。
3月24日(金)
今日はネットで見つけたPC修理・データ救出業者を訪ねる。宿から1kmほどの所にある KR Marketバスターミナルから45Dバス14ルピー(約24円)に乗ってNirmala Storesバス停へ向かう。まずは腹ごしらえとバス停近くの食堂でプラーオを注文。ビリヤニ(インド版炊き込みご飯)との違いがあまりわからない。
バスに乗り込んだが、車両の前部が女性、後部が男性と決まっているようで、前部に乗っていたところ女性客に注意される。道路は相変わらずものすごい混雑と渋滞。
目的の修理業者にたどり着いたが別の専門業者Now Data Recoveryを紹介されそちらに向かうように指示される。電話で事前連絡した上でオフィスを訪ねる。ここで働く人たちは町のインド人とは違い、目に力が無く疲れた印象を受ける。世界共通の、IT業界特有の表情をしているように思えるが偏見だろうか。
ハードディスクを預け精査してもらうことになる。数時間後には早くも連絡があり、8割方データは復旧できる見込みとのことだった。が、結局1ヵ月後どうやってもハードディスク内部にアクセスできず、データ救出は断念せざるを得ないとの報告が来た。ハードディスクは宿泊先の宿に送ってもらったが、復旧できなかった以上費用請求は一切しないとの事で、送料や調査費用など一切かからなかった。結果は残念ではあったが良心的な会社と言えるだろう。もしインドでPCトラブルに見舞われた方がおられたら、ここは選択肢のひとつになり得るのではないかと思う。
バンガロールの町を歩いていると所々閑静な町並みが続く。このPC修理業者のオフィスがある辺りはまさにそんなエリアで、インドにいるとは思えないような雰囲気だ。しかし、そこから一歩外れるとたちまちいつものカオスに放り込まれる。混沌の中を無表情で歩いていると、ついに「お前インド人か」と聞かれるようになった。
夕食は宿近くの食堂でまたまたビリヤニ。
3月25日(土)
例の酷い宿を抜け出して近隣の別の宿に移る。今回の宿はRegency Inn Deluxe Lodge、1泊400ルピー(約680円)。あいにくシングルルームが満室との事で、シングルならもっと安かったらしい。
昼飯チキンビリヤニ80ルピー(約140円)。食べてすぐ異常なぐらいに胃袋が熱くなった。数時間後、(おそらく)この食事のせいで人生初の本格的な食あたりに見舞われることになる。
このあと、多くの旅行者に勧められたハンピ(Hampi)に向かう予定だが、WEBで確認すると列車が3/30まで満席でキャンセル待ちの状態のようだ(WLと表示される。おそらくWaiting Listの意味)。通常料金ではキャンセル待ち客が既に数十人いて(WL43などと人数が表示される)当分はチケット確保できる見込みが無い。ただし色々調べてみるとインドの鉄道チケットには独特の制度があり、Tatkalという割高料金で出発前日の午前10時から発売される特別枠チケットがあり、これなら入手できる可能性がある。結局、明日のハンピ行きチケットもこのTatkalで無事入手することが出来た。今回もこれ以降も、鉄道経路や料金、空席状況など確認するのに90diというサイトが非常に役立ったのでおすすめである。
ノートPCのハードディスク購入のためにSadar Patrappa Roadへ出かける。まさにインドの秋葉原といったエリアだ。この通りにあるキャノン・ニコン専門店でSan Disk製のSDカード16GBを950ルピー(約1620円)で、Guru Krupa Computersというビル2階のPC店でSeaGate製HDD 500GBを2500ルピーに工賃400ルピーの合計2900ルピー(約5000円)で購入。OSがWindows 7になってしまったものの何とかPCは復旧できた。
3月26日(日)
昨日の昼食のせいで夜通し吐き気と下痢が酷かった。食欲も無く果物とアイスクリームしか食べていない。今夜の列車でハンピへ向かうのでそれまでひたすら横になって身体を休める。
バンガロール駅から22時発の寝台列車Hampi Express 385ルピー(約655円)に乗り込む。チケットにはS2車両と書いてあるのだが、車両を見てもどこにもそれらしい記載が無くどの車両なのかわからない。駅員に教えてもらうが他の乗客はどうやって車両を判別しているのか不思議である。ハンピ最寄りのホスペット(Hospet)へは明朝7時頃の到着予定だ。
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