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中国西域への旅 雲南省:雨崩(ユベン)村から神瀑へトレッキング

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雲南省とチベット自治区の境目にある雨崩(ユベン)村で最初の朝を迎えた。山に囲まれた谷底の村だけあって日の出は8時過ぎと遅い。ここは雨崩上村で、さらに下ったところには雨崩下村がある。いずれも20軒程度の家が点々と立ち並ぶ小さな集落である。沢の流れる音が轟々と響いている。

こちらは雨崩下村

覚悟していた程の寒さではなかったが、同宿の香港から来た青年たちにとっては辛い寒さのようだ。いつもは朝早く起きるというイスラエル人女性もこの日は朝寝坊。夕べは極度の疲れもあってなかなか眠れなかったという。高所のストレスもあっただろう。

宿で朝食。

食堂のテーブルには「浪費謝絶」と書かれたシールが貼られている。中国では元来、食べ物は盛大にたくさん作って余ったら捨てるというのが習慣だったようだ。食事の際にも皿の上のものをすべて食べ尽くすのではなく、少し残すのが礼儀だと聞いたことがある。要は「もう食べられません。あなたは十分に私をもてなしてくれました」との気持ちを示すためにも、すべてを平らげてはいけないということだったらしい。食べ切ってしまうと物足りなかったという意思表示になってしまい、ホスト側の自尊心を傷つけることになるのだろう。変な習慣だと思っていたが、中国でも状況は変わりつつあるようであちこちでこの類の標語を目にした。必要な量だけ食べて食材を無駄にしないという精神が根付きつつあるのだろう。

今日はここ雨崩上村から神瀑と呼ばれる大滝へ歩いてみる。同宿の旅行者たちと一緒に大人数で向かうことにする。たまにはこういうのも良い。

雨崩下村から上村を見上げる。

歩くほどに巨大な峰が近くなり、山の懐に抱かれている気分になる。

大滝へ向かって峡谷を奥へ奥へと進んでいく。

ようやく神瀑大滝に到着。2時間半ほど歩いただろうか。実際に来てみると滝の水は凍ってしまっており水は枯れていたが、それでも十分な威容である。巨大な岩壁に取り囲まれた、まさに聖なる地を体感する。

ここまで来ると標高が3600mほどあるので、ずっと緩やかな登り坂だったとはいえそれなりに体力を使う。メンバーのうちのひとりは頭痛がするといって顔色も白くなってきているのでおそらく高山病の症状が出始めている。

滝が見れなくて残念だねと言い合いつつ、みな言葉少なに巨大な岩峰と対峙している。それぞれ心の中で思うことは異なっているだろうが、全員の心中に一種の宗教的な気持ち、崇高で巨大な何かに対する畏怖の念が浮かんでいたのではないかと勝手に想像している。

村には多くの馬がいる。車が通れるような道路が通じていないこの村では、馬は輸送手段として昔から欠かせないものだったのだろう。馬は臆病な動物なので見知らぬ人が近付くと恐がってしまうが、内心はこちらに興味津々だったようで1頭と仲良くなると他の馬たちも次々に近付いてくる。

宿で夕食。ヴィーガンでも菜食主義者でもない自分は何でも食べれるのがありがたい。唯一暖かい食堂に自然と宿泊者全員が集まってくる。一応22時半CLOSEというルールはあるが、毎晩多くの人が時間を過ぎても居残っているのが常だった。

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今回の旅は、日本を代表するアウトドアブランド: (株)モンベル様にご支援いただいています

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