You are here:  / 2016_中国 / 世界一周 / 中国西域への旅 四川省:成都(チェンドゥ)から四姑娘山(スーグーニャンシャン)へ

中国西域への旅 四川省:成都(チェンドゥ)から四姑娘山(スーグーニャンシャン)へ

Pocket

四川省: 九寨溝(ジュウジャイゴウ)の観光を終えて次は四姑娘山(スーグーニャンシャン)へ向かう。手軽なトレッキングから本格的な雪山登山まで可能な、中国でも有名な名峰のひとつである。

九寨溝から直行便バスがないか色々探してみたが、四川省の省都である成都(チェンドゥ)まで出るしかないようで、まずは成都へ向かうことにする。午前7時、7時半、8時、9時半と成都へ向かうバスの本数は比較的多いようだ。

11月28日(月)

午前7時半のバスに乗ろうと宿から10元(約150円)で車を拾って九寨溝バスターミナルへ向かう。成都行きを確認してバスに乗り込み定刻少し前に発車したのだが、バスを間違えて乗っていたことが走り出してしばらくしてから判明する。7時半発の成都行きバスは複数のバス会社が運行しているのだそうだ。結局道の途中で降ろされ、後続の本来乗るべきバスを待つようにとのことで、バス会社もしくはバスターミナルにも電話連絡してくれたようだった。しばらく待ってようやく正しいバスに乗れてひと安心。

巨大な峡谷にはさまれた川沿いの道を延々と下っていく。途中、茂県という町の近くで短い昼食休憩があっただけでほぼノンストップで成都まで突っ走る。このドライバーに限ったことではないが、とにかく運転が荒い。このバスだけでなく成都へ向かうバスのいずれもがほぼ満員だ。乗客の多くがチベット系の人ではなくいわゆる漢民族のようだが、見知らぬもの同士だと彼らは意外に会話を交わさない。これがチベット人なら初対面だろうがずっと喋りっぱなしになるところだろう。

夕方、ようやく成都のバスターミナル:新南門汽車站へ到着。四姑娘山へ向かうには小金(シャオジン)行きのバスに乗る必要があるが、このバスは茶店子汽車站からのみの発車とのことで、地下鉄を3番→2番と乗り継いでそちらへ向かう。

茶店子汽車站に着くも今日出発のバスはもう無いとのことで、明朝のバスを予約したのちここで一泊することにする。久々の大都会で人の多さに辟易する。バスターミナル周辺には「投宿」と書かれたボードを持った人が大勢いて宿の呼び込みをしている。そのうちの一人の中年女性について行ってみる。バスターミナルの目の前にある、32階建ての高層マンションの16階にある一部屋を利用させてもらうことにする。

茶店子車站随家公寓 一泊57元(約860円)。隣室とは薄い壁で隔てられただけで部屋もそれほど広くは無いが、清潔な部屋で一晩しのぐには十分である。隣室は地方から出てきたばかりのチベット人一家で翌日早朝に出発するとのこと。

このバスターミナル周辺には食事できる場所が非常に少なく、辛うじて見つけることが出来た食堂で夕食に回鍋肉22元(約330円)と手桶に入った白米1元(約15円)。回鍋肉の油が多すぎて気持ち悪くなる。

11月29日(火)

バスターミナルから小金へ向けて出発。宿の女性オーナーに教わったとおりにバスターミナル内の広い駐車場に無数に停まっているバスの中から小金行きバスを探そうとしたところ、ここから出発するのは公交バス(近距離バスのことか?)のみで長距離バスはチケットを購入したビル内から発車するのだそう。早めに宿を出ていなければ乗り遅れるところだった。

室内の15番乗り場から9時発の小金行きバス95元(約1500円)に乗車。出発と同時にすっかり寝入ってしまい、気付くと数kmのトンネルが連続する山道に入っている。11時、臥龍という町で小休止。閑散としているが、何とも印象的な造りの建物が多かった。このあと2000mから4000mまで一気に標高を上げる山登りルートが続くため、早めの休憩をここで取るのが慣例になっているようだ。

今日も昨日のバス同様乗客は誰もお互いに会話を交わさない。両側を絶壁に挟まれ、申し訳程度のフェンスしかない狭い急カーブの山道を走る。悪天候のときには走りたくない道だ。霧が深くなり対向車もよく見えない。木々は氷雪をかぶって真っ白で桜の花が咲いているかのようにも見える。

最後の長いトンネルを抜けるとこれまでの天気が嘘のような青空が広がる。坂を下り始めると同時に四姑娘山(スーグーニャンシャン)の姿が見え始めた。急坂が凍結しておりどの車も恐る恐る坂を下る。あちこちで脱輪したり立ち往生している車を見かける。

13時過ぎに小金の手前にある日隆鎮に到着。自分の他に数人が下車した。まずは宿探しをするが、集落は完全にシーズンオフの雰囲気で閑散としている。途中、女性に声をかけられ阿里本青年旅舎(Aleeben Hostel) を勧められる。4人部屋ドミトリーで40元(約600円)。今日は同室者がおらず実質的に個室である。

長坪溝というトレッキング・散策ルートを少し歩いてみる。

ここがこの地域の水源とのこと。やはりオフシーズンらしく、他に歩いている人はいない。こんな人気の無い山あいの道を掃き掃除している人がいる。中国政府の徹底したクリーン作戦が全国に広がっているのだろう。

宿の周辺に営業している食堂らしきものが全くなく、バス通りにまで出て少し歩いてようやく1軒だけ見つけることが出来た。青椒肉絲25元と手桶飯3元で計28元(約420円)。

11月30日(水)

午前9時になってもまだ薄暗く粉雪も舞っている。今朝は食事をする場所が全く見当たらず、バス道路近くのヤク干し肉としいたけを土産物として売っている店に頼んで20元(約300円)で彼らの朝食を一緒に食べさせてもらう。豚の肝、豚肉と野菜、白米というメニューでどれも旨い。豆腐乳も勧められて恐る恐る味見する。ヤクジャーキー3本28元(約420円)も勧められ、お礼の意味もあって購入する。

今日は本格的に長坪溝を歩いてみる。時間節約のためトレッキングスタート地点までバスで向かうことにし、受付で入場料70元(約1050円)、バス代20元(約300円)を払う。戻りの最終バスの時間を聞くと17時だという。物売りの女性が近づいてきてニット帽を買えという。ちょうど頭が寒いと思っていたところだったので20元(約300円)で購入。トレッキングスタート地点へ着き、預かり金(デポジット)100元(約1500円)を渡す。ここでは最終バスは16時だと言われ、閉門時刻の17時までにこのゲートに帰ってきたらデポジットを返金するとのこと。何とか木螺子という展望地まで行きたいのだが、往復7時間前後はかかるそうで、そうなるとあまり時間が無い。

前半はしっかり整備された木道を歩く。見上げると目の前は銀色といって良いような色合いの山肌である。

四姑娘山は大姑娘山、二姑娘山、三姑娘山、四姑娘山の4つの山の総称だそうだが、どれがどの山かもよくわかっていないままただ山に見とれている。巨大な山を目の前にするといつも畏怖の感情が湧き起こってくる。

正午過ぎ、木道が終わったあたりで成都から来たという2人の女の子と会い、友人たちと少し距離が離れてしまって自分たちだけで歩くのが不安なので一緒に歩いてほしいと言われ、仲間と合流するまで同道する。そこから行ける所まで行こうと全速力で歩き、木螺子には13時半過ぎに到着。帰りの時間があるので30分もここに滞在できない。

旅行者もあまりいなくなった午後、山の木々などを整備する山師が次々と登って来た。彼らのほぼ全員に声をかけられる。ヤクが乏しくなった草を探し回って食べている。九寨溝や黄龍のような青い水面がここでも見られる。

結局スタート地点のゲートに着いたのがぴったり17時。係員はブースから出て、100元を握り締めて今か今かと到着を待っていてくれたようだった。幸い今日は団体客がいたおかげで17時発のバスが最終ということで滑り込みセーフ。受付に着くと団体客は横付けされた観光バスに乗り換えてすぐ出発。そばの斜面に群生する木々が夕日で美しい色に染まっている。

今日は宿で夕食を食べることにし、魚の香りをつけたヤク肉を注文する。27元(約410円)。以前から方々の食堂で見かけて気になっていたものだ。魚の香りの効果はあまり感じなかったが味付けは上々だった。

ここ四姑娘山のある地域はアバ・チベット族チャン族自治州でれっきとしたチベット圏なのだが、漢民族との同化が極度に進んでいる場所のひとつでほとんどの住民が中国語しか話さないのだそうだ。確かに、チベットを強く感じさせる要素がここには全く無いように感じられる。ここから先、四川省の西部のいわゆるカム地方に向けて進んでいくことになる。チベットの中心:ラサに近づくほどに濃いチベット世界に入っていくことになるだろう。

Pocket

LEAVE A REPLY

Your email address will not be published. Required fields are marked ( required )

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

スポンサー

今回の旅は、日本を代表するアウトドアブランド: (株)モンベル様にご支援いただいています

Language