中国西域への旅 新疆ウイグル自治区 トルファン観光
中国:新疆ウイグル自治区のトルファン(吐魯番)2日目。今日は他の観光客とともに定番のトルファン1日観光ツアー(200元 約3000円)に参加する。オフシーズンならでは、中国人男性1名、中国人母娘2名に日本人1名のこじんまりとした編成である。残念ながら英語が話せる人は皆無である。今日1日は強行軍なのでおそらく昼食をとる暇はないということで、巨大なナンを仕入れてから出発する。
まず市内からほど近い交河故城に向かう。入場料70元に加え、ウイグル古村への入村料35元がかかる。
こちらが今日1日一緒に回る方々。言葉は通じないものの何かと気にかけてもらい、本当にありがたかった。
奥へ進むにつれ、いつの時代、どこの国の遺跡かわからなくなるような気分になる。
トルファンは昔から地下水路が発達していることで有名だったようで(そうでなければこの超乾燥地帯で暮らしていくことはできなかっただろう)、今でも現役の水路を見学することができる。カレーズ(坎儿井)博物館40元
次いで火焔山という名の、山肌に燃え上がるような模様が刻まれた山(丘)へ向かう。ツアー参加者で話し合ってここは入場せず、外から見るだけにしようということになる。入場料と時間の節約である。中国人観光客が毎年大挙してここ火焔山を訪れる理由は、ひとえにここが三蔵法師の立ち寄った場所だからということだ。西遊記というのは中国人の間でも絶大な人気を誇っているそうだ。キルギスのイシククル湖に続いて2ヶ所目の三蔵法師ゆかりの場所ということになる。
このあと、柏孜克里(ベゼクリク)千佛洞へ向かう。前回クチャで訪れたキジル千仏洞がもうひとつだったので今回も危惧していたのだが、こちらは砂漠もあったりして十分に楽しむことができた。
老人がこの地の伝統楽器らしきものを弾いている。ギターのような多弦楽器なのだが、実際に使用するのは高音弦2本ぐらいで残りは共鳴弦のような役割を果たす(インドのシタールのように)。この共鳴弦が非常に効果的で、アンプを使って増幅しているのではないかと錯覚するぐらいに豊かな響きだった。革は蛇皮でカザフスタンのドンブラと非常に似ているようだった。
今回は火焔山をほぼ素通りしたのだが、千仏洞へ向かう途中に火焔山のような山がいくつもあった。
千仏洞近くには大きな砂丘があり、ラクダに乗って登ることもできる。何となく全員の暗黙の合意で砂丘に歩いて登ることになる。とにかく1日で日程をこなすために我々を急き立てていたドライバーは既に完全に諦めたようでもはや何も言ってこない。結果的には時間切れで高昌城というもうひとつの城には行けなかったのだが、もう十分という感じである。
帰路に目にした景色はまさに砂漠に来ていることを実感させられるような光景だった。
トルファンへ戻る際に、ここまでバスで来たは良いが帰りの足がなくて困っているという西安から来た母娘を乗せる。娘の方は西安歴史博物館に勤務する研究員ということで流暢な英語を話す。ここトルファンへも調査の一環として来たそうだ。良い機会なので、自分のこれからの日程について相談してみた。現時点で行こうと思っている町のほかに、鄯善(シャンシャン)、嘉峪関(ジアユグアン)と彼女のホームタウン西安(シーアン)を勧められる。確かにシルクロードの起点:西安は魅力的なのだが日程的に今回は厳しいかもしれない。他の2か所は進路の途中なので寄ることができそうだ。人からもらった情報で行き先を臨機応変に変えられるのも長期旅行ならではの醍醐味だ。
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