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インド悠久の旅 カンチプラム(Kanchipuram)観光

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インド南部タミル・ナドゥ州のカンチプラム(Kanchipuram)2日目。Ekambaranathar Templeを訪れる。入場料200ルピー(約340円)、靴を預ける料金20ルピー(約34円)。開館時間6~12時半、16~20時半。

入り口を入ってすぐのところでヒンズー教徒以外は外周回廊へ行くよう促される。長い廊下に延々と柱が続いている。

やがて四角い中庭のような、一段低くなったスペースに出る。アンコールワット、あるいはウズベキスタン:ブハラにもこのような空間があったなと思い出す。それぞれ宗教が異なるはずなのに同じようなデザインが生まれるのは興味深い。信仰への入り口が違っても求めるもの、目指すものが同じということか。

この寺院では何と言っても柱の存在が重要なようで、いたるところに無数の柱が立てられておりその1本1本に異なる彫刻が施されている。

ここには聖なるマンゴーの樹があり、樹を包むような形で社があってそこで祈りが捧げられている。五体投地そっくりの動作で祈る人もいる。Ekeはひとつ、Amaraはマンゴーの樹を意味し、これを合わせたEkeamaraがEkembaramに変化してこの寺の名前Ekambaranatharになったのだという。

社を囲む塀には卍(まんじ)を逆にした卐の文字が無数に書かれている。この文字はヒンズー教におけるシンボルのひとつで、中国甘粛省の張掖(チャンイー)でも目にしたことがあった。壁にもタミル文字なのだろうと思うが古くからの文字が残されている。

何の変哲も無い(ように思える)マンゴーの樹1本がこの寺の中心というのも不思議なものである。沖縄でよく見かける聖地:御嶽(うたき)も何も特別なものの無い空間が最も聖なる場所であることが多く、両者に相通ずるものを感じる。

あまりの暑さにこれ以上の観光を断念していったん宿に退散する。宿の1階レストランでトマトライス32ルピー(約55円)とアイスクリーム10ルピー(約17円)。美味い。

斜め向かいの席に座るご夫婦が話しかけてくる。ご主人は議会関係の仕事、奥さんは弁護士、息子はラトビア留学中ということでエリート階級と言えるだろう。英語が流暢な人はやはり高学歴のいわゆるハイソサエティに属する人が多いようだ。一人旅か、どこに泊まってる?何しに来た?どうやって地元民とコミュニケートしているのか?等々質問攻めにあう。ここカンチプラムに観光で訪れる人はそれほど多くないようで、外国人観光客が珍しかったらしい。厄介事に巻き込まれたら弁護してもらう約束をして別れる。

夕食、ビリヤニ専門店でチキンビリヤニ80ルピー(約140円)、ビール130ルピー(約220円)。地元の大学に通う女子大生2人組に話しかけられ記念撮影と連絡先交換。外国人、まして日本人はやはり珍しいようで、初めて見た日本人に興味津々のようだった。

茶屋でチャイ(南アジア独特のスパイス入り激甘ミルクティー)8ルピー(約14円)。こういうところでチャイを立ち飲みしているのは男ばかり。やはりヒンズーの教義上、あるいはインドの慣習上女性がこういう場所を利用するのは好ましくないということなのか。朝4時半から営業しているとのことで、このスピードで1日何千杯のチャイを入れるのだろうか。店員が店の奥に座ってゆっくりしていけと言ってくれる。ここでもめったに見ることのない外国人観光客ということで珍しがられる。やたら高い位置からチャイを注ぐのは紅茶、ミルク、砂糖などの成分がよく混ざるようにするためだそうだ。

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