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中央アジア:キルギス観光 ジェティオグス

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引き続き中央アジア:キルギスのイシククル湖周囲にある観光地をまわる。アルティンアラシャンへのトレッキングを終え、カラコルから西、イシククル湖の南岸沿いに走り30㎞程度走ったところにあるジェティオグスへ向かう。キルギスのグランドキャニオンとも呼ばれるところらしい。アルティンアラシャンへ行くバスに乗る際に利用したアクティレクバザールからジェティオグス行きのバスも出ているようだ。

カラコルの宿:Teskey Guesthouseでしっかり朝食をいただいてから出発。

宿の窓からもこのような景色が見える。

アクティレクバザールへの道中、若い男性と女友達、10歳くらいの妹と一緒になる。何とかお互い会話したいのだがなかなか実のある話をするのが難しい。バザールに実際に行ってみると乗り場が少し離れており、なおかつ11時発と17時発(17時便は本当に走っているかどうか不明)の2本しかないとのこと。まごついていると英語を話せる女性が手助けしてくれた。結局そのあたりにたくさん停まっている車と交渉して行くことにする。宿:Teskey Guesthouseのタライ氏曰くひとり120ソム(約180円)で行けるということだが、ドライバーはジェティオグスに行くような人は簡単に集まらないと言う。結局4人分500ソム払ってすぐ行ってもらうことにした。

単に「ジェティオグスまで」と言うと、本来行くべき場所の10㎞手前で降ろされてしまう(「ジェティオグス村まで」と判断される?)ので、正確には「ジェティオグスのサナトリウムまで」と言う必要がある。

カラコルからの道中がこれまた絶景で思わず車を停めてもらった。時間の余裕がある場合は、この湖南岸の道をのんびり景色を楽しみながら行くのもおすすめである。

やがて車は左折(南下)しジェティオグス村へ入っていく。ドライバーの携帯もこの辺で圏外になってしまった。カラコルへの戻りのタクシーは要らないのかと念押しされるも、終わりを決めらるのが嫌なのでお断りする。彼も手ぶらでカラコルへ戻りたくはないだろうから当然のオファーである。

ほどなくジェティオグスに到着。目の前の巨大な赤い岩がこの村ののシンボルである。

予想以上に小さな集落で宿は見渡す限り1軒(それも営業しているのかどうかわからない)だけ、あとは商店と食堂がそれぞれ1、2軒ほど。車を降りてさてどうしようかと思っていたところ、劇団ひとりによく似た若い男に絡まれる。よくわからないがお前外国人なら金持ってるだろう、金をくれと言っているようだ。近くにいた別の男性ドライバーが見かねて引き離してくれた。

まずは腹ごしらえと言うことで目の前の小さな食堂に入る。客は誰もいない。チベット料理で言う「モモ in スープ(名前を忘れてしまった)」のような料理を当てずっぽうで注文する。コーヒーも頼んで合計150ソム。

そこへさっきの劇団ひとりが入ってきた。自分が座っているテーブルに来てさっきはすまなかったと言う。手にはフルーツゼリーが入っているような小さな透明のパッケージに入ったウォッカを持っている。どうも一緒に入ってきた別の若い男に金を出させたようだ。さっき絡んできた時も既に酔っぱらっていたらしい。

乏しい英語のボキャブラリーで何度も何度も繰り返し謝ってくるのでもう気にしていないと伝える。そのうちこちらを指して「You are beautiful」「You are beautiful」と何度も言い、次いで店の女主人を指して「She is beautiful」「She is beautiful」、これが延々繰り返される。なんだかよくわからないが、もう謝罪の気持ちは十分伝わったから取り合えずゆっくり飯を食わせてくれ。彼自身、さきほどの自分の振る舞いをこの上なく恥じているという気持ちが伝わってくる。彼が日頃から飲んだくれているのは周囲の人には周知のことのようで、みなどこか距離を置いて彼に接している感があった。事情はよくわからないが、彼自身やるせない鬱屈があるのだろう。この村から出たくても出られないということなのか、仕事や家庭がうまくいかないということなのか、それはわからない。うつむいてウォッカをちびりちびりと飲む彼を残して店を出る。最後まで彼は顔を上げなかった。

カラコルの宿の主人からはDragon ValleyとVodopadという滝を見るよう勧められていた。道で会った老人にDragon Valleyへの行き方を尋ねると目の前の斜面を登るのだという。草の茂った急斜面でどう見ても人ではなく動物が登るための斜面に見える。それでも、カラコルの宿の主人:タライ氏はDragon Valleyへの行き方を「5分登って5分降りる」と言っていたのでこれが正しいのか。とにかく登ってみることにする。

結果的には別にちゃんと道がついているルートがあったのだが、老爺の指示通りあえぎつつ坂を登り切るとそこは大平原であった。放牧場なのかと思うが人や動物の気配はない。ここからはDragon Valleyもジェティオグスも、さらにはるか彼方にそびえる山々も望むことができる。なるほどこれはグランドキャニオンのミニチュア版に違いない。下界の音はここには届かず、ただ川が轟々と流れる音だけが響いている。

16時頃になって馬の大群がやって来て、男が遠くから大声で反対側から降りろと怒鳴っている。ここは馬専用のルートだったらしい。

夕方になって宿探しを試みるも営業中の宿が1軒もないことが判明する。通りがかった地元男性と交渉し、この方の自宅に300ソムで泊めてもらうことにする。クマールさんといい、現在は奥さんと二人で暮らしている。子供たちはみな家を出たそうで、一番下の12歳の娘が現在首都:ビシュケクにいるという。末娘が将来日本に行くときは宜しく頼むと言われる。このクマールさん、大変な恐妻家なのか奥さんに頭が上がらないのか、奥さんには250ソムで話がついたことにして50ソムはこっそり自分にくれと言う。奥さんには絶対内緒にしてくれと何度も頼まれる。

家にあげてもらい早速夕食を出される。キルギス風肉じゃが(ヤクの肉)、パン、自家製ぶどうをたっぷり入れたお茶(これが美味かった)をいただく。ヤク肉を噛んでいると自分は獣の肉を食べていると実感できる。クマールさんはいそいそと50ソムを持ってどこかへ買い物に。帰ってきて2人きりになるとすぐ「妻から何か言われなかったか?」。実は奥さんのローザさんと二人きりになってすぐ「主人からこっそり金をくれと言われなかったか?」と尋ねられていた。すべてお見通しのようである。ここは一宿一飯の恩義があるのでクマールさんをかばわなければならない。

夕食後、クマールさんに村中を連れて回ってもらう。そこら中に兄弟、子供、親戚が住んでいる。それぞれの家に上がって、お茶を出してもらい、出されたパンをほんのひとかけらでも(ひとかけらだけでよい)かじってから失礼するのが礼儀のようである。各家庭とも夕食前後の忙しい時間帯であり、家によっては孫娘が明らかに迷惑そうな顔をしておりこちらも恐縮した。

こちらはクマールさんのお兄さんでジュエリー加工業を営んでいるとのこと。

小さな集落ではあるが、学校や医院なども整備されていた。ひときわ立派な建物があるので尋ねると、これはロシア人用の住居だという。ジェティオグスの名前の由来についても教えてくれ、ジェティ(キルギス語で数字の7)オグス(キルギス語で牛)つまり7頭の牛ということなのだそうだ。ジェティオグスの赤岩を目にすると、人によっては7個に見えたり8個に見えたりするという言い伝えがあるそうだが、実際のところ見ようによっては何個とでも言えそうである。

ちなみに、お隣のカザフスタンに住むカザフ族では数字の7を非常に大事なものとして扱う伝統があるそうだ。赤ちゃんが生まれると生後7日目に命名の儀式がある、結婚によって姻戚関係となった2つの家族は、お互いの住居を7つの川で隔てられるような位置関係にしなければならない、など7にまつわるしきたりが多い。非常に関係の近いキルギス族にもそれに似た考え方があるのかもしれない。カザフ族には他にも火曜日と金曜日は不吉な日なので外出を避けるというものなど、独特な伝統(今も信じられているかは不明)が多くあるそうでこれも興味深い。

どういうわけかえらく気に入られたようで上機嫌のクマールさんに何度もハグされ、しまいにはキスまでされてしまう。「明日おまえが帰るときに俺は泣いてしまうよ」と言われる。そんなにあの50ソムは大きかったのか。

今回の旅にロシア語のトラベル例文集のような本を持ってきたのだが、夫妻との会話には全く役に立たなかった。せっかくのチャンスだったのに残念である。クマールさんはギターとピアノが得意とのことでギターと歌を披露してくれる。歌詞にビシュケクという単語が入っていたりして即興で演っているのかもしれない。ギターのチューニングがあまりにもでたらめなので直して差し上げる。gixingという聞いたことのないメーカーの楽器だ。カザフスタンでも感じたことだが、こちらの人はそれぞれの生活に歌が自然と入り込んでいるようだ。立派な音楽だった。

かつては夫妻の子供たちが寝起きしていたであろう部屋で寝かせてもらう。いつ子供たち孫たちが来てもいいようにすべてがきれいに整えられていた。夫妻の子供たちへの思いを感じつつ、ありがたく眠りにつく。

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今回の旅は、日本を代表するアウトドアブランド: (株)モンベル様にご支援いただいています

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