エベレスト街道単独トレッキング2日目:ナムチェバザール
エベレスト街道の単独トレッキング2日目。今日はパクディン(Phakdhing)からナムチェバザール(Namche Bazar)へ向かう。
ナムチェバザールはここクーンブ(Khumb)地方の中心となる集落で、一帯に暮らすシェルパ族にとっては重要な村である。
カトマンズを離れて以来、初めてネットがつながるようになりメール確認ができた。昨日からの雨が周囲の山々では雪になったようで、外に出ると頂が白くなっているのが見える。
食堂で朝食を注文する。ネパール人ガイドたちはまだ食堂で眠っている。昨日より体調が良い。今日は歩行時間が長いのでしっかり朝食を摂る。
歩き始めてしばらくするとこのエリアを代表する峰のひとつタムセルク(Thamserku:6623m)が見えてくる。
馬やヤクで渋滞になっているところが多く、なかなかスピードが上げられなくて身体が温まらず寒い。ヤクは臆病な動物なので人がそばを通るとどういう反応をするかわからない。谷底に突き落とされてはかなわないので、すれ違ったり追い越すときも気をつかう。
途中、ベンカー(Benkar)という小さな集落の茶屋で地元の人達が仕事前にお茶を飲んでいる。サモサ(生地で具を包んで揚げる、ネパールのいわばおやつのようなもの)がなんとも美味そうで、出発2時間で早くもチャイとサモサで休憩してしまった。
その後、チュモア(Chumoa)、ジョサレ(Jorsale)などチェックポイントを通過し、その都度TIMSカードや入域許可証のチェックを受ける。携帯電話の有無も聞かれ、なぜかメーカー名もしっかりリストに記入されていた。
ここクーンブ(Khumb)地方で心の拠り所とされるクンビラ(Khumbi-La)も少し姿を見せてくれる。この山の麓まで行かねばならない。
深い谷にかけられた橋を渡る。人も動物もみなここを通る。結構揺れる。
道の途中、このような巨大なマニ車に何度か出くわす。マニ車にはこのような大きなものから手に持てる小さなものまであり、1回まわしただけで経文を全部読んだのと同じ功徳を積んだことになるというチベット仏教のハイテク機器である。
やがてサガルマータ国立公園の入り口に到着する。
ここからは深い谷へ下降していく。依然として、ターコイズ(トルコ石)色の川は轟々と、曲がりくねって流れ続けている。ヒマラヤというとどこか荒涼とした場所をイメージしていたのだが、実際には雪解け水が激しい流れを生み出し、木々も生い茂る自然の恵み豊かな土地であった。
やがて本格的な登りが始まった。地元神奈川:丹沢の大倉尾根ほどの勾配ではないものの、荷物が重く坂が長いので身体にこたえる。すでに出発から6時間が経過。ついに根負けし、途中のバッティ(茶店のような意味らしい)で昼食にすることに。
ダルバートを前に全く食欲がわかず持て余す。悪い兆候だ。過度の疲労は高山病にかかるリスクを高くする。ありがたいことに猫が励ましてくれるのだが、あまり助けにはならなかった。
気付かなかったのだが、目的地のナムチェバザール(3440m)はもう目と鼻の先で昼食後すぐに到着。馬蹄形(U字型)の窪地の傾斜に沿って建物が立てられており、集落の先は深い谷で谷を挟んで向かいには巨大な山がそびえている。
本日の宿はナムチェゴンパ(寺院)の直下にある、ホテルエベレスト:Hotel Everest(1泊100ルピー)。フロントの態度が高圧的で嫌な感じがしたが、もう歩き疲れていたので妥協する。トレッキングの宿はすべて1泊100〜200円と破格に安いが、これは3食をこの宿の食堂でとるという条件付きである。
夕食のカレーは2皿平らげる。昼食時の食欲不振は単にダルバートへの拒否反応なのか。
結局到着までに7時間近くかかってしまった。通常のトレッキングプランでは1泊目をパクディンにしているためそれに従ってみたのだが、その先にも宿はたくさんあり、可能であれば初日に出来るだけ先に進んでおくほうが翌日に向けては良いと実感した。
LEAVE A REPLY