アンナプルナトレッキング7日目:アンナプルナベースキャンプ
今日も快晴。
朝食をとってすぐ出発。
今日は今回のトレッキングの目的地である、アンナプルナベースキャンプ(以下ABC:4130m)まで行く予定。
相部屋の韓国人男性2人はネパール料理が全く口に合わないそうで、茹でたジャガイモしか食べない。
香辛料の匂いが我慢できないそうだが、日本人の自分にはまったくそれが感じられない。
まずマチャプチャレベースキャンプ(以下MBC:3700m)へ向かう。
本来ベースキャンプとはその山へ登頂するための基地となる場所だが、
このマチャプチャレは信仰上の理由で登山が禁じられており、実質的にはベースキャンプとしての機能は存在しない(はず)。
巨大な岩壁にはさまれた深い峡谷の中を、緩やかな上り坂が続く。
MBCまで標高にして500m以上も上がらなければならないが、覚悟していたよりは楽に登ることができた。
途中、ゴレパニで会って以来何度も顔を合わせる機会のあった日本人とシンガポール人のカップルと再会。
彼らはこちらより1日早く日程を進めており、これが最後の交流となるためしばらく立ち話をする。
MBC以降は本格的な雪道になっていると教えてもらう。
MBCでは休憩せずそのまま歩き続ける。
聞いていたとおり雪がかなり積もっており、一歩進むのにも苦労する。
すでに360度を山に囲まれる景色の中に入っており、何度も立ち止まってはあたりをぐるっと見回してしまう。
ABCの建物はすでに視界に入っているのだが、そこからがなかなか遠く一向にたどりつけず、疲労が蓄積する。
この高地で今日1日で1000m近く標高を上げているものの高山病が出る気配はない。
何とかゴールへたどり着く。
ロッジへ入る直前の斜面が完全に氷の坂になっており、上にいる人に引っ張り上げてもらわないと登れない。
なかなか空き部屋が見つからず、ガイドが周辺のロッジと交渉してくれて何とか9人部屋の1ベッドを確保。
同室は昨日と同じ韓国人男性2名、欧米人らしき父と息子、エクアドル人の女性登山家、
2日前に宿で一緒になったアメリカ人カップル、それに中国人女性。
このうち中国人女性が高山病による激しい頭痛で、少しでも標高を下げなければとの事で下山することになる。
有名な紅景天(高山病に効果のある漢方薬としてチベットで売られている)も効果がなかった様子。
午後は日が暮れるまで外でひたすら景色に圧倒されて過ごす。
欧米のトレッカーはあっさりしているというか、あまり景色に執着がないのか暖かいロッジから出てこない。
夕食時にガイドから同じアンナプルナ山群で事故が起き、数十人亡くなったらしいと聞かされる。
ここはアンナプルナ山群の内側だが、外側を周回するルートがあり、そちらで事故があったとのこと。
ここは下界と連絡がつかないので正確な状況がつかめずもどかしい。
早々に床につくが目が冴えて全く眠れない。
深夜に外へそっと出てみると白い山に満天の星空。
月明かりに浮かぶ白い峰々が荘厳であった。
時折流れ星が空を横切るのが見える。
こんな時間にここにいるのは自分だけと思いきや、ベースキャンプより上の斜面に2つのヘッドランプが見える。
同室の欧米人親子がこっそり部屋を出て行ったので、まさかとは思うが彼らかもしれない。
あちらこちらから雪の斜面が崩れる音が聞こえる。
本日の宿 アンナプルナゲストハウス:Annapurna Guest House
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