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中央アジア:カザフスタンからキルギスへの国境越え

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中央アジア:カザフスタンの都市:アルマティで急遽予定変更しての宿泊した翌朝。例によって朝寝坊で出発が10時半になり、せっかくサイランバスターミナルまでのバスでの行き方を教えてもらっていたのにタクシーで向かうことになった。宿で車を呼んでもらって650テンゲ(約220円)。途中ガソリンスタンドに意味ありげに停車し、案の定ビシュケクまでバスではなくタクシーで行かないかとのお誘いが殺到する。料金を聞くと2500テンゲ(約830円)とのことで、バスなら1500テンゲ(約500円)なので断る。こうして日本円にすると本当に小さい金額の差だと思ってしまうが、既に現地の金銭感覚に慣れているのでこの違いは大きい。650テンゲのはずがバスターミナル内に入ったら入場料150テンゲが追加でかかるとのことで支払いでもめる。ゲストハウスに電話してそれならそうと事前に言ってくれと一言モノ申した上で支払う。

バスターミナルの建物に入って勝手がわからないものの、その場にいる人が気付いてすかさず行き先を教えてくれる。ここもホスピタリティ溢れる国だ。出発時刻は決まっておらず乗客が必要なだけ集まり次第の発車となるが、国境を越えていくようなバスに人が集まるだろうかとかなりの待ち時間を覚悟していた。ところがものの15分ほどでバスはすぐ満員となり正午前に1番乗り場から出発。冷房付きにもかかわらず車内がかなり暑いものの、国際バスは予想以上に快適だ。バスと言うより日本の感覚で言えば大型ワゴン、マイクロバスといったサイズか。

今日も天山山脈が大きくそびえているのが見える。整然とした街並みと雄大な山の対比。これも「まるでヨーロッパの町に来たよう」と言われる所以のひとつかもしれない。国境に向けて走り出すとすぐにだだっ広い草原の中をひた走ることになる。

13時半ごろに一度休憩をはさみカザフスタンとキルギスの国境に到着する。この川が国境線らしい。

国境を越える際に一度すべての荷物を持って下車する。人と車、それぞれが出国と入国の手続きをした上で、国境の向こう、キルギス側で合流する。入国審査時の係官がこちらの腕時計(1000円以下の中国製)を見て「この時計は俺のものだ」と冗談か本気かわからないようなことを言い始めたので、面倒なことにならなければいいがと思っていた。そのうちに係官がパスポートを持って別室に消え、そこで待つ羽目になった。しばらくして係官からパスポートが返却されたが、同乗の他の人たちからは遅れて一人になってしまった。近くにいた男たちにここが車との合流場所だと言われた場所で待つことにする。同じ車に戻るのでナンバーを撮影しておいたのだがその車がいつまで待っても来ない。後から考えるとそこはバスではなくタクシーの乗り場で、彼らはタクシードライバーだった。何度も「ビシュケクまで車で行かないか?」と誘いがあったのは何か意図があったのかもと思わないでもない。

1時間以上経過し置いて行かれたと判断したので、そこを通りかかった別のバスと交渉して乗せてもらうことに成功した。英語とロシア語のできる中国人女性がいて通訳してもらえたので助かった。ありがたいことに別のバスのものだがチケットは持っていると言うと追加料金なしで乗せてくれた。

あとはもう気楽にビシュケク市街地まで運ばれるままである。道の真ん中を車と並走する馬の大群に道をふさがれる。アルマティから見えていたあの大きな山のふもとに向かって車は進んでいる。結局夕方遅くになりようやくキルギスの首都:ビシュケクの西バスターミナルに到着した。道中、もう2年半も東南アジアを中心に放浪しているという日本人女性と一緒になる。あまりにも軽装備なので旅行者ではなく地元のカザフ/キルギス人かと思ってしまった。やはり日本人とカザフ/キルギス人の区別は難しい。今日泊まる宿は決めているそうで、宿の人が迎えに来てくれていた。

バスターミナル近くで目をつけていたApple Hostelへ向かう。8ドルで10人部屋のドミトリーだが、非常に清潔でセキュリティもしっかりしている。チェックインしに行ったところ、受付では宿泊客の男がバス内で携帯電話を盗まれたがどうしたらいいかと相談している。受付補佐の女の子が日本語勉強中とのことで所々怪しい日本語を話してくれる。

すっかり暗くなったが宿の周辺を歩いてみる。先ほど盗難の話を聞いたせいか、心なしかこれまでの国より少し不穏な気もしてくる。ウズベキスタンよりずっと日本的な顔立ちの人が多い。宿から少し離れた交差点にある食堂で夕食。店の女の子はムスリムのスカーフ(ヘジャブ)をかぶっている。ウズベキスタンではこの格好をあまり目にしなかった気がする。店にいる他の客の真似をして野菜を漬け込んだ酢を米にかけて食べてみるが、意外に美味い。

バスターミナルそばにタバコやジュースなどを扱う小屋のような店舗があり、SIMカードも扱っている。120キルギスソム5GB のプランでSIMが60キルギスソム(約90円)。どうしてもAPN設定が上手くいかず店の人も全くやり方が分からない。宿でもネット検索して設定方法を探ってみたがどうもうまくいかなかった。

売店にいる間に次々に客が来店する。たいていの男はタバコを買いに来る。みんなタバコは1本単位で購入している(1本1.5~2ソムぐらいか)。箱単位でも売られているが、パッケージには煙草の害をこれでもかと強調したグロテスクな画像が載せられている。

宿に戻り、同室のアルジェリア系フランス人と話す。彼いわくEmerging Country(新興国)を訪れるのが好きだという。国のエネルギーを感じられるのがいいらしい。彼はトレッキングをしてきたようで、自分も行こうと思っているアルティンアラシャンでの雪の深さなど話してくれる。彼自身、まだまだアウトドア初心者だが経験を積んでより冒険的な挑戦ができるようになりたいと話していた。個人的な印象としてフランス人(少なくとも旅で出会うフランス人)には冒険的、挑戦的な人が多いように思う。

ウズベキスタン:ヒヴァを発ってから4日ぶりに普通のベッドの上で眠ることができる。3か国目:キルギスでの旅が始まる。

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今回の旅は、日本を代表するアウトドアブランド: (株)モンベル様にご支援いただいています

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