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中国西域への旅 雲南省:飛来寺(フェライシ) 明永(ミンヨン)氷河

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雲南省徳欽(デチェン)から10kmほどの飛来寺(フェライシ)を訪れている。日の出前に宿の前に出て梅里雪山の方角を眺める。既に何人も観光客が集まっている。梅里雪山は雲が多いことで有名らしいが、今朝も雲の向こうに山が見え隠れしている。

中国南部から来たという女性が英語が出来たので少し話す。彼女は昨日トレッキングから帰ってきたとの事で、すぐ近くに昨日顔見知りになった欧米人カップルが来て彼らは今日トレッキングに向かうそうだ。今回は中国に滞在できる期間が2週間しかないため、早めに切り上げて次へ移動するつもりだったのだが、自分もトレッキングをやってみようかと思い始める。トレッキングルートは目の前に見えている山を越えて梅里雪山の目の前まで行くというものだ。

梅里雪山では1991年日中合同登山隊が全滅する大事故が発生したことで知られ、この事故は中国人の間でも有名なようだ。ここから眺めているとただただ幻想的なのだが、自然の厳しさ、恐ろしさを思い知らされる出来事である。地元ではこの山は神聖な山であり、登頂すること自体を自分たちの信仰への冒涜と考える人も少なくないと聞いている。

香格里拉のバスから宿まで一緒になった4人のうち2人は今朝のバスで徳欽へ戻るとのことでお見送り。9時前には香格里拉行きバスが客を拾うためにあたりを行ったり来たりしている。自分と海南島から来た青年の2人が残り、今日は明永(ミンヨン)氷河へ行ってみることにする。

10時前に宿を出て車をシェアして30分ほどメコン川沿いのガタガタ道を走って氷河への登山口に到着。入場料78元(約1170円)。ここから氷河までは有料の電気自動車(最後の登りは1時間半歩くことになる)で行くか、すべて徒歩で登るか。2人とも即座に後者を選択したが、他に徒歩で登っている人は皆無だった。

歩いている間中、鳥の声と轟々たる川の流れが聞こえていた。チョルテン(仏塔)にくべる薪を集めているという60歳の男性と一緒に歩く。途中、近道を行くつもりが完全に森の中で迷ってしまったりして時間をロスしたこともあって、最上部の展望台(標高3080m)まで3時間かかってしまった。

展望台からは目の前に巨大な氷河が見える。まさに氷の川で、流れている途中で時間を止められたかのよう。予想以上に素晴らしい光景だった。彼も同じ感想だったようで夢中で写真を撮り続けていた。あちこちから氷河が崩れる音や氷がなだれ落ちる音が聞こえる。氷河が下流へ一気に流れ出そうとしているのを最後のところで巨大な岩の塊がブロックしている。この氷河も近年溶け始めているそうで将来どうなるかはわからない。

海南島青年がこんな光景を見たことがないと言うので、ネパールヒマラヤのトレッキングを勧める。日本にも氷河があると聞いたと言って富士山の名前を挙げていたが、富士山には雪渓や永久凍土はあるものの氷河ではないと答えた。

彼いわく、このあたりの村は3年前まで携帯電話など全くなかった地域で、現代のテクノロジーが流入し始めたのはごく最近のことだそうだ。変化を望まない人も多いが、若者はみな発展を望んでいるという、あらゆる国の僻地と言われる場所で起こっているであろう流れがここにもあるようだ。

メコン川沿いの悪路を車で飛来寺へ戻る。今日も梅里雪山の向こうに夕日が沈み峰を美しく照らしている。

宿に戻ると今日の宿泊客は我々2人とイスラエル人女性1人の3人のみ。今日も一緒に鍋をしようとの宿の人のお誘いでお相伴にあずかる。ただしこの女性はヴィーガン(厳格な菜食主義者)のため食べられるものが非常に限られ、本人も宿の人も少々苦労していた。

標高が高く空気も澄んで乾燥しており、夜になると空は星で埋め尽くされる。夜空に梅里雪山のシルエットが浮かび上がる。

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