ベトナム旅行 フォンニャ(Phong Nha) 天国の洞窟(Paradise Cave)観光
ベトナム中部のフォンニャ(Phong Nha)という洞窟で有名な町に来ている。この一帯を含むフォンニャ・ケバン国立公園は世界遺産に登録されており、今日訪れる予定の「天国の洞窟(Paradise Cave)」は世界最大級の洞窟と言われている。また、近隣には正真正銘、世界最大の洞窟のソンドン洞窟(Son Doong Cave)がある。近年観光客に開放されたばかりのこの洞窟は1週間ほど時間をかけて回る必要があり、費用も何と30万円程度かかるそう。それでも海外から申し込みが殺到していると聞いた。
昨日からの雨が昨夜から豪雨に変わり、朝になっても雨足は弱まらない。宿のベッドにはあまりにも虫が多くて、昨夜はあまり眠ることが出来なかった。明け方になると昨日の自分と同様に、多くの宿泊客がチェックインしてきてなかなか騒がしい。チェックアウト後、荷物を預かってもらう。
Paradise Caveへ行こうと朝から車やバス、ツアーなど探すもことごとく空振り。宿で頼むと車チャーターしかないとの事で550000ドン(約2800円)、別のホテルで聞いてみても700000ドン(約3500円)とかなり割高。最終的にEasy Tigerというゲストハウスでバイク手配なら300000ドン(約1500円)という話があり、まだ割高感はあるが承諾する。
昼前、大雨のなかバイクに2人乗りで洞窟へ向かう。キリスト教会と中華風建築が混在する中を突っ走る。40分ほど走ってようやく洞窟の入場口へ到着。入場料250000ドン(約1250円)を支払って中に入る。ここから洞窟入り口まで坂道を30分程度登る(前半は有料のカートに乗ることも出来る)。先月末まで4000m前後の標高にいたことで高地順応の効果がまだ残っているのか、病み上がりにもかかわらず、坂を登っても全く息が切れない。
洞窟内へ入り、どんどん階段を下っていく。まるで映画のセットのようで、昨日のフォンニャ洞窟同様に宇宙を感じさせる空間で、天井は銀河の大海原にしか見えない。地下に深く潜った場所でやたら宇宙を感じるのも不思議だ。思ったより来場者が多く、ほとんどがガイドつきの団体客。
遠くから見ると広大な宇宙を感じさせる姿だが、近くで見ると自然が創り出した造形の不思議さに感嘆する。偶然の賜物でしかないこれらのデザインに意味を見出して、勝手に感動したり喜んだりしている我々人間とは一体何だろうと思う。
洞窟はどこまでも続いているかのようで進んでも進んでも終わりに近付かない。昨日行ったフォンニャ洞窟とは比較にならない規模である。最奥部まで木で作られたしっかりした通路が整備されていて非常に歩きやすい。
進めば進むほどに次々と新しい景観が目の前に現れ、なかなか先に進むことができない。団体客はガイドに急かされて足早に見て立ち去って行くが、そこは個人客の特権、バイクドライバーに待ってもらっているのが多少気になりつつも自分の気の済むまで見て回ることが出来る。ひとり、地下の異空間で岩と対話しているような気分になる。
これほど地中深く、いわば重力の向きに沿って下方にある空間で、逆にはるか上方ににあるはずの宇宙を感じるのが妙な感じだ。ある登山家が「山の頂上に登頂して戻ってくるときはいつも、水に潜って水の底に一瞬手を触れてから水面まで急いで戻ってくる感覚に似ている」と言っていた事を思い出す。
結局3時間ほど洞窟内に滞在したがそれでも足りない感じだった。バイクドライバーは嫌な顔ひとつせず待ってくれていた。相変わらずの大雨の中、来た道を戻る。
町に戻って宿に預かってもらっていた荷物を引き取る。今日ドンホイ(Dong Hoi)の町へ移動しようと考えていたが、来るはずの17:05発最終バスがいつまでたっても来ないため、諦めてここでもう1泊することに。
本日の宿:Thien Thanh Hotel、1泊220000ドン(約1100円、朝食込み)。
夕食、フライドライス50000ドン(約250円)とビール15000ドン(約75円)。宿の目の前にはBamboo Caféという店があり観光客で満員だが、値段もツーリスト価格である。
中国雲南省のトレッキングで知り合った中国人から中国版LINEの微信(WeChat)で連絡があり、チベット自治区からエベレストベースキャンプ(EBC)にたどり着いたとの事。自分もいつか行ってみたいと思っている場所だ。これまで出会った各国の旅行者たちそれぞれ、思い思いの場所へ旅を続けているようで励みになる。
LEAVE A REPLY