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インド悠久の旅 ハンピ(Hampi)観光 2/3日目

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3月29日(水)

インド南部カルナタカ(Karnataka)州ハンピ(Hampi)で2日目の朝。宿近くの食堂でトースト3枚、ミックスフルーツラッシーの朝食130ルピー(約220円)。今日もハンピのシンボルとも言える巨大ゴープラム(南インドヒンズー寺院特有の塔門)が青空に映える。

今日はマウンテンバイクを借りて(18時までで150ルピー)周辺の遺跡群を見て廻ることにする。いきなり登り坂になり、早くも暑くなってくる中あえぎつつ登り切る。現地ガイドに引率された欧米人10人ほどの自転車ツアー一行とばったり会う。そう言えばこのガイドから昨日ツアーに参加しないかと誘われていたことを思い出した。ガイド付きというのはいいと思うが、他人のペース、全体の都合で動かなければならないと思うとどうも気乗りがしない。

見て廻っているとPushkarani Bazar、Krishna Bazarなどの「バザール」跡があちこちにある。かつての市場があった場所ということで、その数の多さに15世紀当時のこの地の繁栄を思う。バザールの陰で駆け抜ける風に吹かれると涼しくて気持ち良い。うまい具合に風通しのよい場所に市場を作ったものだ。当時の人もちょっと涼むためにここに来ていたかもしれない。

Krishna Bazarの道を挟んで向かいにあるKrishna Templeは一部工事中だったが、それでもその独特の姿を見ることが出来た。

インド建築でいかに柱というものが重要であるかをここまでに何度も目にしてきたが、ここも凝りに凝った彫刻が刻まれた柱が印象的である。

こちらはかつて女王の沐浴場であったというQueen’s Bath。

途中、近隣のホスペット(Hospet)在住の一家と一緒になり記念撮影など。幼い男の子が父親からあの日本人にキスしてきなさいと言われて嫌々ながら頬に口付けしてくれる。インドではこういった習慣が一般的なのかは定かではない。

王宮なのか、広大な敷地を石積みの壁が取り囲むRoyal Enclosureという場所に出くわした。台形の低いピラミッド状の建物の上に立つと眺めが良い。

これはHazararama Templeという、これも精緻な彫刻が印象的な寺院だ。

ここも柱と彫刻にこれでもかと意匠が凝らされている。

ハンピ遺跡観光の中では目玉のひとつと言えるであろうロータスマハル(Lotus Mahal)。入場料は500ルピー(約850円)とインドにしては非常に高額。ただしこのチケットを購入することで他の観光名所にも入ることが出来るということで、昨日行ったビタラ寺院(Vitthala Temple)にも入れるそうだ(ただしチケット自体は有効期間1日なので同じ日に両方一度に見る必要がある)。内部は庭園になっており、amaltas/cassia(fistula)という花の黄色が美しい。

ロータスマハルの建物自体も非常に印象深い造りになっている。いかにも王族の建物らしい優美さと建築家のこだわりが一体となった感じ、と言えばいいか。ここは警備の目が厳しく、少しでも妙なところに入り込んで撮影しようものならたちまち笛をけたたましく鳴らして注意される。

地元の子供たちが敷地に入り込んで遊んでいる。警備員とも顔見知りなので黙認といった感じだ。写真を撮ってくれと最初は非常に乗り気だった年長の女の子2人が急に下の子2人だけで、と言ってくる。女の子はある程度の年頃になったらむやみに見知らぬ男に写真を撮られるのは良くないとの考え方が支配的なのだろう(考えてみればインドに限った話ではないが)。こういった点ではインドは非常に保守的なので、この国を旅していると、ある程度の年齢以上の女性と軽く言葉を交わすだけでも結構周囲の人たちの目を気にすることが多い。これが相手が全員男、あるいはこちらが女なら全く問題ないのだが。

かつて王様用のゾウだけを選別して飼育していたというElephant Stable。

アンナプラデシュから来たというザキール・フセインさん一家と一緒になり写真を撮ってくれという。インドの有名な音楽家と同姓同名だねと言うと、こちらでは非常に多い名前だそうだ。大変な子だくさんで、子供たちからは日本人ということで質問攻めにあう。特に男の子たちはこちらに興味津々でなかなかそばから離れようとしない。日本の写真でも事前にたくさん撮っておいて見せてあげられればよかった。

少し行った先にあるSarasvati Templeは見物人もほとんどおらず静寂に包まれている。

炎天下を1日自転車で走り回り、疲労困憊でハンピの村に戻る。夕食に入ったレストランで、この4月から北海学園大学の新1年生になるという18歳の少年と一緒になる。入学式までの1ヶ月を利用して初めての海外旅行にインドを選んだのだそうで、その選択が普通の人とかなり違っている。ここハンピが最後の訪問地で、北インドでは色々トラブルに遭ったりもして大変だったそうだ。ハンピで有名な日本人宿に泊まっているとのことで連れて行ってもらうが確かに日本人ばかりだった。1泊100ルピー(約170円)と猛烈に安いが、部屋ではなく物置に寝泊りする感じの宿だ。星空を眺めながら屋上で寝るのが涼しくて気持ち良いと言っていた。

3月30日(木)

相変わらず猛烈に暑い。この2日間でかなり見て廻ったこともあり、もはや日の高いうちは外に出る気にすらならない。昼食のためにだけ外に出る。

夕方になって最後に残ったMatanga Hillへ登る。長い参道の先にある寺院跡を通って登り坂に入る。

途中、一昨日疲労困憊で立ち寄ったアチユータラヤ寺院(Achyutaraya Temple)が見えてきて、もう一度ちゃんと見ようとそちらに足を向けてみる。

岩山を登るにつれハンピの全景を一望できるようになる。どの遺跡も一度行った場所なので、あそこに見えるのがあの寺院だと逐一わかるのもうれしい。途中なかなか危険な岩場もあり、雨の日などは絶対に登りたくない感じ。靴を履いていても滑って危ないところがあるのでサンダル履きでなくてよかった。

後ろを歩くインド人カップルの女性の方が「疲れたし恐いしもう登りたくない」と愚痴をこぼしている。それでも自分が先に立って行き、頂上まであと50mと教えてやるとやる気が出たのか一度は下山しかけた2人も遅れて到着。日没前から既に何人もの観光客が来ており、夕日に向かってヨガをする白人女性の姿も。太陽が地平線の向こうに沈んでからも、みなしばらくその場にとどまってそれぞれの物思いにふけっているようだった。

丘から下りる頃には辺りもかなり暗くなり始め、赤紫の空にゴープラムと巨岩のシルエットが浮かんでいた。

晩飯を食って宿に戻る途中、今夜もゴープラムが圧倒的な姿で夜空にそびえている。

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今回の旅は、日本を代表するアウトドアブランド: (株)モンベル様にご支援いただいています

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