エベレスト街道単独トレッキング20日目:チュクン
ディンボチェ(Dingboche:4350m)で2日目の朝。快晴が戻ってきた。窓辺に置いたペットボトルの水が室内なのに凍っており、足先も痛いほどに冷たい。これまでで一番寒い朝かもしれない。
ローツェ(Lhotse:8516m)が朝日を浴びてところどころ金色に輝いている。
昨日1日休んだことが効を奏したか背中の荷物が軽く感じられる。ただ、息は依然苦しい。今日はチュクン(Chhukung:4730m)へ向かう。坂道を意識してゆっくり登る。途中、沢を越える箇所が何ヶ所もあり、いずれも水面が凍っている。振り返るとディンボチェが小さくなっていく。
途中、茶屋1軒だけのビブレを過ぎ、2時間半ほどでチュクンに到着。
呼吸が苦しい以外は身体にも問題はなく快適である。快晴だがとにかく寒い。ここまで来るとローツェが目の前で、頂上付近に強風がぶつかり雲となって流れていくさまが見てとれる。カンレヤムウ(6246m)という屏風のような山も広がっており、ヒマラヤひだが圧倒的に美しい。ここも来てよかったと強く思える場所である。
本日の宿はカンリ(カングリ)リゾート:Khangri Resort(1泊200ルピー)。
昼食後、ロッジの東側の丘に登ってみる。カンレヤムウがさらに迫力を増して迫ってくる。
ここチュクンには、カラパタール、ゴーキョピークと並ぶもうひとつのピークとしてチュクン・リ(Chhukung Li:5550m)がある。斜面を登っていく団体客の姿が見える。
ロッジのすぐ裏まで氷河湖が迫っており、温暖化によりこの湖の決壊が懸念されているそうだ。もしそうなったらこの集落はひとたまりもなく押し流されてしまうだろう。
夕方になると谷間には麓から雲が上がってくるのだが、その雲もチュクンの手前でピタッと止まりここまでは届かない。何ものにも妨げられることのない綺麗な夕焼けを見ることができた。
夕食後気づかぬうちに眠りに落ち頭痛で目が覚める。頭痛、寒さともにこの旅一番である。隣の部屋のトレッカーは高山病だろう一晩中うんうん唸り通しであった。
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