アンナプルナトレッキング5日目:停滞
昨夜からの雨がやむどころか一層激しさを増してきた。
もう完全な土砂降りである。
同じトレッキング会社で1日前に登っているチームは撤退を決めたという。
ほとんどのトレッカーが宿に缶詰め状態となる。
明日以降の天候について、楽観論・悲観論それぞれを主張する人が出てくる。
ガイドからはトレッキング中止の打診があった。
結果的に正解だったのだが、Mountain Weather Forecast で検索したところ、このあと天候は回復するとの予報であり、
何とかこのまま日程を進めたいとリクエストする。
その場合1日延長となるので、トレッキング会社のマネージャーと電話で話し(正直英語で何を言っているのかよくわからなかったが、費用面など最低限のところは了解できたので)確認了承した。
トレッキングを中止した人々、今日1日停滞しているグループ、下から登ってきた一群がすべてここチョムロンに殺到したため、どの宿も部屋が足りなくなってしまった。
泊まりたいなら赤の他人とルームシェアしてくれとのことで、ポルトガルからのソロトレッカー男性と同室になる。
小学校教師だがもう子供にはうんざりした、このトレッキングが終わったらベルギーで新しい仕事を見つけて新たな人生を送るなどと話してくれた。
ポルトガルは魚料理が種類豊富で、性格的にも穏やかであり、日本人なら絶対気に入るはずと強く勧められる。
ただ国自体はほぼ経済破綻したため、多くの人が海外に出てしまっており自分のように旅を楽しむ人も少ないとのことだった。
彼は下山途中で、膝の古傷が傷み始める気配を感じたので、ゴール目前だったが撤退を決めたという。
そこまで行っておきながら無理せず中止するという合理的な選択は、自分にはできないと感じる。
夕食時、マレーシアからの陽気なグループが加わり一気に場が明るくなる。
夕食時に頼んだチーズマカロニがどうしても食べられず大半を残してしまう。
ヤク(ヒマラヤに多く棲む体毛の長い水牛のようなもの)のチーズだと思うが、匂い・味ともに完食するには厳しかった。
あるいは体調が悪くなってきているのかもしれない。
何とか明日晴れることを祈るようにして床につく。
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