フィリピンのお祭りについて
フィリピンのドゥマゲテでの英語留学も終盤を迎える。相変わらず徹底的に英語漬けの日々であまり変化がなく、これといって特筆すべきことがないのだが、先生たちとの日々の会話の中で膨大にたまっていくフィリピン事情を少しずつ書いてみたい。
フィリピンの人の気風としてラテン気質というのが何となくイメージされるのではないだろうか。実際にその通りで、楽天的で日々の暮らしを楽しもう、という姿勢に満ちている。同時に多くの人が敬虔なカトリック信者であり、何よりも家族を大切にする人たちである。
そんな彼らにとって最も大事なイベントが1年に1回のフィエスタ(Fiesta)である。多くの場合、その地域(比較的狭い範囲で「町」レベルの単位)ごとにフィエスタの日が決められているようである。この日は呼べる限りのお客を自宅に招いて盛大に食事をふるまうのがしきたりになっている。この日のために大変な散財をしてしまう人も多く、ブラジルの人々が毎年リオのカーニバルに全精力を注ぐのと似ているかもしれない。
必ず豚の丸焼きが用意され、その年のフィエスタが終わるとすぐに新しい豚を飼い始め、1年かけて大きくしたところで次の年のフィエスタのために屠ることになる。この豚の丸焼きはレチョン(Lechon)と呼ばれ、これがあるとないとでは客の入りが大きく違うそうで、フィリピンのお祝い事には欠かすことのできないものである。
このように町中で飼われている豚を見るとこれまでとは違う目で見てしまう。
また、カトリック教徒らしくクリスマスも盛大なお祝いとなるそうで、それが済むとすぐに新年のお祝いが続き、多くの家庭はこの一連の行事でお金を使い果たしてしまうとか。最近ではもっと実利的に質素にやろうという人も出てきているようだが、大多数の人々にとっては今でもこの時期に盛大に金を使うことが美徳とされているらしい。
他にも祭りはあり、今年は10月にここドゥマゲテでお祭りが開催される。毎年この時期には世界中から観光客が殺到し、2~3か月前でないとホテルの予約が取れない状態だそうだ。ドゥマゲテのあるネグロス島では他の都市でもそれぞれ趣向の異なるお祭りが開かれるそうで、中でも島で最大の都市:バコロド(Bacolod)で開かれるマスカラ・フェスティバルは独特な仮面をかぶって行う印象的なものだそうだ。フィリピンは計7000もの島々からなる国で、それぞれの島で独特のお祭りが催されるそうだ。この祭りを追いかけて回る欧米人観光客も少なくないとか。せっかく近場でこのようなものが行われているのに、日本人だけがその存在すら知らないのは残念な気がしてしまう。
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