インド:シッキム王国への旅 1.インド上陸
インド:シッキム(Sikkim)地方。
この地方の名前をお聞きになったことはあるだろうか。
私が2012年末から2013年初にかけて旅した、インド東部の州である。インドを旅するにはビザの取得が必要だが、このシッキムを旅するにはそれに加えて特別な入域許可証が必要となる。国境沿いの州という事もあってか制限が厳しいのだ。
最初からここを狙って旅行したわけでは全くなかった。仕事が忙しく長期の休みを取るのが難しい状況で1年以上旅行など出来なかったのだが、年末年始に何日か加えた少し長めの休暇が急遽取れることになった。行きたいと思うところは数あれど、何しろ急な話だったのでもうどこへ行くにも航空券が取れない。限られた期間内で帰って来られる、興味をそそられる場所、なおかつできればチベット圏に近い所…。シッキムへの旅は消去法で決まったようなものだった。
地球の歩き方インド版を見てみると、この分厚いガイドブックの中でシッキムに関する記述はせいぜい十数ページといったところか。知名度が低く、旅行者が少ないということだろう。それでもこの州のすぐ近くには紅茶で有名なダージリンの町がある。
地図で見るとシッキムはインド・ネパール・ブータン・バングラデシュ・中国の国境地帯にある。インドというと暑い国を連想されがちだがそれが全てではない。国土の北端にはラダック地方(ジャンムー・カシミール州の一部)があり、ここはヒマラヤ山脈まっただ中、ほとんどが富士山並みかそれ以上の高地である。シッキムは国の北東端に近く、ここもヒマラヤに接している。ラダック同様チベット文化圏と呼んで良い場所だろう。
秘境シッキムへ向けて出発
年も暮れようとする慌ただしい時期に成田からまずインドの首都:デリーへ向けて出発。強風の影響で、満員の航空機は滑走路上で3時間の待機といきなりつまづいた。霧の深いデリーに到着したのは既に午前3時。空港近くの安ホテルを予約してあったので一応泊まってみることにする。この時間でも空港のIndian Bankは両替してくれる。渡された500ルピー札のうち落書きがあるもの(受け取りを拒否されることがある)が1枚あり、交渉の末きれいな札に交換してもらう。
この時間でもタクシー手配の男たちが大勢いる。見覚えのあるドライバーがおり、2011年にここに来た時に乗せてもらったと言うと、別のドライバーがこの人は俺たちのボスなんだぜとニヤリと笑う。
若いドライバーの車でホテルへ向かうも場所がわからず苦労する。地図で探したり、ホテルと何度も電話でやり取りしてようやく到着。小道を入る非常にわかりにくい場所だった。短い滞在時間が更に短くなった。
本日の宿:ユーロスターインターナショナルホテル(Eurostar International Hotel)1泊15$
迷わず来れれば空港から車で10分程度の場所である。
インドという事で身構えていたが、フロントの対応が実に良い。ホテルボーイもきちんとしていて好感が持てる。8時のモーニングコールをお願いし、空港までの車の手配(200ルピー)も頼む。ホテル滞在3時間だが多少でも横になって眠れるのはありがたい。液晶テレビ、エアコン、WiFi、シャワー(湯はぬるかったが)と揃っており、ちょっとした滞在には十分である。
タクシーから見た夜道は相変わらず怪しげな男たちがいっぱいだった。初めての海外旅行で深夜ネパールに着いた日のことを思い出す。
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