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エベレスト街道単独トレッキング21日目:アイランドピークベースキャンプ

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チュクン(Chhukung:4730m)で迎える最初の朝。明け方の寒さは強烈であった。やわらかい朝日で山肌が幻想的に染まる。
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ここは山に囲まれており8時を過ぎないと陽が差さず、誰も起きて来ようとしない。

今日はアイランドピーク(Island Peak:6160m)のベースキャンプ(5070m)まで往復のトレッキングを行うことにした。カラパタール、ゴーキョピークと並ぶ3大ピークのひとつチュクン・リ(Chhukung Li:5550m)への登頂も考えたが、事前に許可が必要であること、宿の主人に無許可で登るつもりと伝えたところ非常に困った顔をされたこと、ここから800m以上登る気力が湧かなかったことなどから行き先変更した。

今日は昨日以上に呼吸器の具合が悪く苦しい。

ほとんど完全凍結した川の上を、溶けるのも待たずにお構いなしに水が流れ下る。
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やがて乾いた砂と岩と雪だけの荒涼とした世界に入る。ローツェ(Lhotse:8516m)を見ることのできるおそらく一番近い場所に立つ。高さ3000mの大岩壁を目の前にするが、3000mという実感が湧かない。まわりの景色と相まってどこか別の惑星の風景を見ているようでもある。
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周囲の山を見てもその大きさに現実感がない。あまりに巨峰を見すぎて感覚が麻痺してしまったかのようだ。こちらからはアマダブラムがまったく別の山のように見える。
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結局ベースキャンプの少し手前まで行って引き返すことにした。4時間半ほどで往復したが、今日もそれほど標高を上げたわけではないのに異常な疲れ具合である。辛いばかりで、もう歩きたくない気持ちに支配される。昼食後部屋で眠る。

夕方、霧が立ちこめるも夕暮れ時にはまたきれいに晴れ上がる。
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隣の部屋のトレッカーは高山病がひどいようで水しか受け付けないそう。ガイドがしきりにスープだけでも飲むように勧めるが頑なに断る。この状態では標高を下げる以外に解決策はなさそうだが、本人は何とか粘るつもりらしい。

夜、相変わらず満天の星空。もう半月以上標高4000m以上の場所にいることになる。思ったよりも平気だったなと言うべきか。ただ、この期間一度もシャワーを浴びていないので、さすがにひと風呂浴びたい気分ではある。

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