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初めての海外旅行:ネパール 7.スワヤンブナート

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いよいよネパール滞在最終日。今日のうちにここカトマンズを発たなければならない。カトマンズの西にスワヤンブナート(Swayambhunath)という寺院があり、そこへ歩いて行ってみることにする。

思ったほど時間がかからず、タメル地区から30分強で到着。寺院そのものはここからさらに高台にあり、長い階段を登らねばならない。途中あちこちで猿を見かける。ここは別名モンキーテンプルと言われ、猿が多いことで有名なのだ。途中で食べ物を出したりしたらたちまち襲われるだろう。

頂上には、昨日訪れたボダナートを小ぶりにしたようなストゥーパが建てられている。ここからはカトマンズ市街が一望できるのだが、町は薄いスモッグの中である。このもやが冬になるともっと深くなり、雲海のようになることもあるらしい。

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その市街地に戻ると、相変わらずの混沌・無秩序である。もはやクラクションを鳴らされても何も感じなくなってしまった。そこら中の道路に牛が徘徊しているのだが、クラクション聞いてもよけないのは人も牛も同じである。

歩道橋では両足のない物乞いが道の真ん中に大の字になって、これみよがしにその足をむき出しに見せて、堂々と喜捨を要求している。

タメルの町を歩いて、土産を買おうとカシミヤ商品を売る店に入ってみる。店主いわく、こういう服飾関係の仕事というのは低カーストの人間の仕事と決まっているそうだ。彼自身もローカーストの出身だが、商売自体はうまくいっているそうで、カーストの上下と貧富はまた別の話だという。ヒンズー教にカースト制があることは知ってはいたものの、21世紀の現在になっても未だにこんなに明確に差別があるというのは想像していなかった。

同じくタメルにアロマハウスという香り専門店を見つけ、ここでお香やアロマオイルなどさんざん購入する。なかなか凝った商品が多く、興味のある人ならなかなか店から出られないだろう。

タンカ(曼荼羅図)を売る店の主人から「おーい、モンゴロイド」と声をかけられる。何という呼び方だと思うが、良さそうな店だったので足を止めてみる。言われてみると彼も自分も明らかにモンゴロイドの顔ではあるのだが。お前は同じモンゴロイドだから安くしてやる、欧米人にはそんなことはしないという言葉に乗せられてここでも買ってしまった。

いよいよ初めての海外旅行先、ネパールともお別れである。空港へ行くと大混雑で、ドバイへ向かうマレーシア航空に大量のネパール人たちが乗り込んでいく。ナガルコットで出会った青年と同様、彼らもこれからドバイへ出稼ぎに向かうのだろう。彼らにとってこの航空券は決して小さくない負担だったはずだ。彼らからすると金持ち日本人であることが、意味もなく申し訳なく思えてきた。

日本へ向けて、1週間前に来た空路を戻っていく。だんだん日常が近づいてくる実感がわいてくる。飛行機の窓から富士山が見えて、ついに帰ってきたと感じる。

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旅はどうだったかと聞かれると、初めての経験でもちろん楽しかったのだがそれ以上にカルチャーショックが大きかったかもしれない。途上国(ましてネパールは世界でも最貧国のひとつである)というものを目の当たりにして、色々感じさせられ考えさせられるところがあった。いくら居心地がよくても、自分は彼らとは違う外国人なのだということを痛感させられた。自分が日本人なのだということを生まれて初めて身をもって感じる機会だった。外国に出ると日本からは離れて外の世界のことばかり考えるものだと思っていたが、実際には外に出るとかえって自分のことや日本のことを色々と考えるようになる。こうやって外の世界と比較し相対化することで、自分が何者なのかがよりわかってくるものなのかもしれない。

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