初めての海外旅行:ネパール 3.サランコットの丘
ポカラから車で30分ほどのところにサランコット(Sarangkot)の丘という標高1592mにあるヒマラヤの展望地がある。日の出前に起きて車で向かう。
車が山道をどんどん登っていきかなり標高が上がっていることがわかる。展望台に着くと他の外国人観光客でいっぱいでかなりの混雑である。夜明け前の寒さが身に沁みる。
結局この日も昨日同様雲が晴れず、山を目にすることは出来なかった。観光客目当てに茶屋などはすでに開いており、土産物を売ったりしている。手織りだというブランケットを購入する。
集落を離れてダムサイド方面へ向けてぶらぶら歩いてみる。時々雲が晴れてマチャプチャレ(Machapuchare:6993m)が顔を見せてくれる。町から眺めると頂がはるかに高い。
少し歩くと広々とした田園風景が続く。川に女性が何人も下りて、洗濯をしたり洗髪をしている。
レイクサイドからフェワ湖をはさんで向かいには小高い丘があり、頂上には大きな仏塔が立っているのが見える。あそこへ行ってみようと湖の反対側から丘を登り始める。途中、道がわからず、地元の青年に尋ねて教えられた方向へ歩くが、ますます山中に迷い込んでしまった。同じルートにフランス人女性2人がおり、この道で合っているのか聞いてみたところ、彼女たちも先ほどの青年に教えられた道を来たという。一方の女性が、先ほどの青年が距離をおいてずっと後をつけている、彼は私たちをだまそうとしていると言い始めた。そこへ先ほどの青年が追いついてきて、正しい道を教えて欲しければ金を出せと言い始めた。話の内容を聞かれたくないからフランス語で喋れないかと彼女に聞かれたがそれはできないので、結局3人で来た道を戻ることにする。青年は後ろでさかんに迷ったら出られなくなるぞと脅しの言葉をかけるが一切無視することにした。やがて別の青年たちに出くわし正しいルートを教えてもらうと、先ほどの青年は舌打ちをして消えていった。
そのあとも何度か迷いながらようやく頂上へ到達する。ここは日本山妙法寺(World Peace Pagoda)という日本の日蓮宗系の寺院である。僧侶が出てきて、日本人なら大西上人を知らないかと聞かれる。仏教について色々話してくれるのだが、何も知らない自分を恥じ入るばかりであった。この寺院は地元の人が資材をすべて手でかつぎあげて建立し、落成式には日本から高僧が臨席したそうだ。湖越しにポカラの町が一望できる。
登ってきたのとは反対側の斜面を湖へ向かってまっすぐ降りて行くとボート乗り場がある。このボートでフェワ湖対岸のレイクサイドまで運んでもらう。船頭の青年は湖水を直接手ですくって飲んでいたが、自分が同じ事をしたら確実に腹を壊すだろう。レイクサイドに日本料理店が何軒かあると教えてくれる。彼自身、日本料理は大好きだと言う。
夕食はラサレストランというチベット料理店でとった。食事中、停電となり(この後も旅を通じて何度となく経験することになる)町全体が真っ暗になったが、慣れたもので店の奥からバッテリーを引っ張ってきてすぐに灯りをともしてくれた。
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