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2014チベットへの旅:最終日 旅の終わりに

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最終日の朝。早朝から空港に向かう。ホテルにお願いしていた車でほとんど往来のない道路を快適に走り、わずか15分ほどで空港に到着。帰りも直行便であり、乗ってしまえば楽なものである。6時間ほどで成田に到着。24時間前まではチベットにいたというのに、もう日本にいる自分にどこか違和感が残る。この交通機関のスピードに感覚が追いつかない。

海外旅行を始めて以来の念願だったチベット旅行。計画を練っていたわけではなく、ひょんな経緯から人のプランに乗っかることになったもので、団体旅行というこれまでとは違う形態でもあった。今回体験したのはチベットの表層の部分であり、この短い期間ではこれ以上つめ込むことは難しかったと思う。それでも初めてチベットに直接触れる機会としては良かったのではないだろうか。

チベットは広大であり、西部地域にはチベット仏教最大の聖地:カイラス山(ボン教、ヒンズー教、ジャイナ教の聖地でもある)を始めとする、まさに秘境と呼んで良い地域がある。またチベット自治区外の東チベット地域にもチベット民族は多数暮らしており、チベット文化が色濃く残されている。さらに国境を接するネパール・ブータン・インドにもチベット文化圏が及んでいる。

これら地域のうち、ラダック・シッキムといった地域は既に訪れているが、今後もチベット文化圏に触れていきたいと思っている。

なぜチベットに自分は惹かれるのだろうか。

チベット人の穏やかな人間性は好きである。彼らの信仰の篤さとそこから醸し出される宗教的なたたずまにいも魅了される。また、ジョカン前で大勢が五体投地に没頭しているときに発せられた静かな熱狂は忘れられない。

日本人も決して宗教心の薄い民族ではないと思うのだが、少なくとも特定の信仰を持つという事からは遠ざかっている人が大半だろう。自分ももちろんその一人で、どちらかというと特定の宗教に偏ることを忌避しているかもしれない。無意識のうちに失ってしまった宗教的な何かを求めて、自分はそれを彼らに投影しているのだろうか。

チベットの自然も魅力である。巨大な山々、雪と氷、どこまでも続く乾いた高原、そして今回実際に旅をしてみて意外に豊かだった水と緑。ほとんどが富士山より標高が高いというこの厳しい自然の中で、特に悲壮な風でもなく彼らは淡々と暮らしている。彼らの人間性や宗教観はこの風土により形作られたもので、我々のルーツもそこにあるはずだ。

チベットに惹かれるというのは、無意識のうちに自分のルーツを探ろうとしているのかもしれない。あるいは目的地がどこであれ旅そのものが自分のルーツを探る行為なのかもしれない。今後も自分は旅を続けるだろう。

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今回の旅は、日本を代表するアウトドアブランド: (株)モンベル様にご支援いただいています

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