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2014年ネパール:ヒマラヤトレッキングまとめ

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ヒマラヤトレッキングから戻り、住み慣れた日本で地図を開いてみる。トレッキング前にカトマンズの本屋で買ったトレッキング用の地図である。トレッキング期間中はこの地図と毎日にらめっこで明日どこへ行くかを考えていた。

今回はアンナプルナ方面と、エベレスト街道を含むクーンブ方面の2つのエリアでトレッキングを行ったが、やはり独力で歩いた後者の方が印象により強く残っている。これもひとりで歩きたいと思った理由のひとつで、自分でいちから何でもやった方がひとつひとつの出来事が強く心に残るのである。

クーンブ側にはゴーキョピークとカラパタール/エベレストベースキャンプ(以下EBC)の2つの代表的な目的地がある。地図を見てみると、ゴーキョ、EBCの方向にはそれぞれドゥードコシ(Dudh Koshi)、イムジャコーラ(Imja Khola)という川が流れている。流域は激流に削られて深い谷になっており、削り残された部分が今回目にした山々ということになる。

2014年9月に訪れたチベットでも感じたことだが、不毛・荒涼といったイメージを抱いていたこれらの地域が実は水と緑が豊かな土地だということは意外な発見であった。氷河や山に積もる雪が溶け出し、巨大な流れを生み出して周辺に恵みをもたらし、ひいてははるか下流のインドあるいは東南アジアにまで多大な影響を与えているのだろう。南アジアから東南アジアにかけての暮らし、文化文明はすべてヒマラヤにその源流があるとも言えるかもしれない。下流に流れた大量の水が雲を生み、それがヒマラヤに雪を降らせる。この大陸規模の壮大な水の流れ、循環を少しは実感できたような気がしている。

今回の旅が何だったのか。言うまでもなく念願であったヒマラヤを自分の足で歩き、巨大な山々を自分の目で見ることができたことは幸福なことであった。自分が、これと思ったことに関しては人に合わせるのではなく徹底的にマイペースを貫きたい人間であることも再確認できた。と同時にひとりということの限界も思い知らされた。英語を含むコミュニケーション能力の不足も痛感した。良きにつけ悪しきにつけ、感情が揺れ動くことも多々あった。

総じて見ればこれまでにない良い経験ができたのではないかと思う。もう一度同じ事をやれと言われれば当分はごめんだと答えるだろうが、また改めてトライするときが来るだろうか。やり残したこと、行きそびれた場所があるだけにいつかこの続きを始めることになるかもしれない。

山にいる間はもちろん、日本に帰って来てからもじっくり考える、あるいは思いをまとめるという気にはならなかったのだが、こうして思い返して振り返ってみようという気持ちになったということは、ようやく本来の世界に戻ってきたということなのだろう。

IMG_3687

(追記)
今回エベレスト街道についてはガイド・ポーター一切無し、完全単独の形態でトレッキングしましたが、これを皆さんにそのままお勧めするものではありません。病気や事故、あるいは事件に巻き込まれるケースがないわけではありません。女性のソロトレッカーにもひとりだけ会いましたが、特に女性は身元のはっきりしたガイドかポーター(もしくは両方)を雇って歩く方が良いと思います。どうしても単独で行く場合は事前に十分な情報を収集して、出来る限り安全面に万全を期して行かれるようお勧めします。

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今回の旅は、日本を代表するアウトドアブランド: (株)モンベル様にご支援いただいています

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